IT用語としてのバズとは、「話題になる」「口コミが広がる」といった意味を持つ言葉。本来は、ハチがブンブンと飛び回る様子を表す英単語で、音がけたたましく鳴っているイメージから転じて、ウェブサイトやアップロードされた動画、ブログ記事などが話題になると「バズが起こる」「バズった」といった使われ方をするようになった。
企業にとっては、バズを起こすことで自社の商品・サービスを周知することにつながる。こうした動きを「バズマーケティング」という。具体例を挙げると、ハリウッド映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』は、作品と同じ世界観の中での架空のニュース映像をYouTubeで公開し、また、そのニュースに登場する企業(こちらも架空)のウェブサイトを立ち上げたことで、公開前からネット上で注目を集めた。その結果、興行収入=約1億7千万ドル(170億円)を超えるヒット作となっている。
さらに、個人でもバズを起こすことで注目を集められる点は、ネットならではといえる。特に、最近は、キュレーションメディアが登場し、そこでは個人のブログなどが取り上げられることもある。バズが起こると、アフィリエイト収入が増えることはもちろん、多くの人々が自分の作ったものを見てくれる喜びは大きい。
ただし、バズを起こしたいがために、行き過ぎた行為をしてしまうケースも見受けられる。例えば、生放送が可能な動画サイトで、カフェに爆竹を投げ込む危険行為を行い、ユーザー2人が書類送検される事件が発生した。このユーザーは警察の調べに「有名になりたかった」と供述したという。
バズを起こしたいと思っても、まずは社会一般のルールや法律を守らなければならないことはいうまでもない。「これをやったら面白いかも……」と思っても、それが誰かに迷惑をかけることにならないか、よく考えてから行動しよう。