カリフォルニア州ベニスビーチのCargomatic社が提供する同名のサービスは、トラックと荷物をマッチングさせるものだ。ロサンゼルス周辺の法人を顧客とし、荷物の運搬を斡旋するサービスを提供している。運ぶのは同社サービスに登録している運送会社。運んでほしい荷物をオンラインで登録すると、運送会社が早い者勝ちでその注文を取り、ピックアップに向かう。通常、トラックドライバーと運送会社のディスパッチャー(配送手配係)は頻繁に連絡を取り合って荷物の受け取りと配達を行うが、Caromaticは運転手の持つスマートフォンを使うので、位置情報の伝達など電話連絡の手間も省ける。
トラック輸送の課題は、積載率の向上だ。荷物を満載して運んでも、帰路の荷台ががら空きではドライバーの時間もガソリンも空費してしまうことになる。緻密な運行計画を立てて往復の積載率を向上できるのは大量のトラックを保有する大手物流会社のみで、大抵のトラックは積載量に余裕がある状態で走行しているのが現状だ。Cargomaticのターゲットは比較的近距離の運搬を行う、トラック保有台数10台以下の中小運送会社だ。ビジネスモデルとしては、運送会社から20%の手数料を受け取るというもので、ロサンゼルスの次はニューヨークに進出を予定している。
LA Timesによれば、登録した運送会社の中には、15から25%も売上が増えたところもあるとのこと。トラックの積載率を高められれば、燃料消費が効率化できて排気ガスの削減にもつながり、超過勤務が減って安全運転が可能になり、運転手の給与も増やせる。さらには、手配係のペーパーワークも、事故を誘発しかねない運転中の電話連絡も減らすことができるというわけだ。
著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)
NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。
参考情報(外部サイト)
Cargomaticのウェブサイト
Cargomatic’s mobile technology connects truckers to short-range jobs