映し出した被写体の表面温度が分かる赤外線サーモグラフィー。医療現場では、体表面の皮膚温度の分布を測定し、それを色分けして画像化することで、手足などの血流の診断などに用いられたりするが、日常生活でも使えることをご存じだろうか。
スマートフォンで赤外線サーモグラフィーを見ることができるガジェット「Seek Thermal(シークサーマル)」は、スマートフォンに取り付けるだけでさまざまな場面で活用できるので、ぜひ紹介したい。
「Seek Thermal」は、スマートフォンに取り付ける本体部分と、専用アプリをセットにして使用する。スマートフォンのコネクター部分に本体を差し込み、アプリを立ち上げると、スマートフォンのカメラのファインダーを通して見えるものの表面温度が分かるというもの。カメラの解像度は206×156ピクセルと粗いが、表面温度を確認するには十分だ。
では、日常のどのようなシーンで活用できるのかまとめてみよう。
【1】お肉の火の通り具合を確認する
フライパンなどで肉の塊を焼いていると、中まで火が通っているかの判断は難しい。そこで「Seek Thermal」を使うことで、肉の温度が可視化され、中まで火が通っているのかを触らずに確認することができる。
【2】暗い夜道を歩く時の防犯に
夜道で暗がりに人がいるかもしれないと思うと、不安な場面がある。そんな時に「Seek Thermal」を使えば、もし人がいればその存在を探知することができる。つまり、暗視スコープのように使うことができる。
【3】普段掃除しない部分や、汚れている部分を見つけたい時に
汚れ具合が外からでは見えない水道管の中などを掃除したい時、「Seek Thermal」を使うと、内部の詰まっている箇所や、汚れがひどい箇所を把握することができる。また、廊下を映せば、肉眼では見えない足跡などの汚れが確認でき、どこが汚れているのかを知ることができる。年末の大掃除などでも活躍しそうだ。
【4】室内の寒暖差を知りたい時に
寒い時に、部屋のどこから冷気が入ってくるのか気になったら、「Seek Thermal」を使おう。部屋の寒暖差が分かり、どこから冷気が入ってくるのかを突き止めることができる。
【5】壁に釘を打ち付けたい時に
部屋の壁に釘を打ち付けたい時、どの部分が頑丈な部分なのか、目で見ただけでは判断しづらい。そこで「Seek Thermal」を使えば、壁の内側の構造が分かるので、壁の中の柱や堅い芯の部分を探り当てることができる。その部分に釘を打てば、絵や写真などを飾ることができる。
「Seek Thermal」は、「肉の中まで火が通っているか」「暗い夜道のどこに人がいるか」「隅々まで掃除できているか」などといった確認ができ、きっと重宝するに違いない。ただし、役立つからといって、外で使用する際に「歩きスマホ」にならないように注意しよう。それで事故を起こしては本末転倒だ。
「Seek Thermal」は、Android・iOSに対応しており、公式webサイトから199ドル(約2万円)で購入することができる。
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