2014年4月から復興庁で勤務している花岡です。
復興庁へ勤務して4カ月が経過し、ようやく職場環境にも慣れ、自分の周りで起こっていることを冷静に見つめられようになりました。今回は、復興庁での私の役割や感じたことを報告します。
KDDI復興支援室への配属から、復興庁へ
私は宮崎県の沿岸地域の出身で、KDDI復興支援室に所属するメンバーの中では、唯一東北と縁がありません。しかし、数十年以内に起こると予想されている南海トラフ地震が万一発生すると、私の実家は浸水するといわれる地域にあることから、東北での震災は他人事と思えません。
今は、平穏に暮らしている故郷の両親や友人たちですが、いつか起こるかもしれない大災害への備えは絶対に忘れないでいてほしい、そのためには、被災地で学べることを私自身がしっかり学び取り、そして得られたことを、防災・減災に生かす必要があると考えました。そのような思いから、私も復興支援室のメンバーに加えていただきました。
2014年4月に復興支援室へ配属されると同時に、私は霞が関にある復興庁で働くこととなりました。復興支援室は、全員それぞれ異なる自治体で働いているため、室メンバーの方々とはほとんど話をする間もありませんでしたが、4か月経った今では、復興支援室のメンバーともすっかり馴染み、また、復興庁の各部門の方々ともいろいろなお話ができるようになりました。
復興庁での活動
私が働く復興庁は、東日本大震災からの復興を加速するための組織で、各省庁や民間企業の出身者が、被災地の復旧・復興に一丸となって取り組んでいます。復興にかかわる業務は、非常に広範囲で、かつすべての省庁がかかわってきます。被災自治体の要望などを一元的に受け付けるとともに、関係する省庁への橋渡しを行う役割を担っています。
また、復興庁は「現場主義」を徹底しており、復興大臣をはじめ、復興庁の方々は頻繁に被災地へ足を運びます。被災地の状況を自らの目で見て、住民の声を自らの耳で聞いて、今、何をすべきかを判断されています。そうやって得られたことを、霞が関にある関係省庁に伝えていく、そのような活動を設立当初からずっと続けているのだそうです。
私は、原子力災害復興班に配属となり、自治体向けと民間企業向けの下記の業務を担っています。
福島県双葉郡富岡町にあるJR東日本常盤線があった富岡駅周辺(2014年4月撮影)。富岡駅は、東日本大震災に伴う津波によって駅舎は、崩壊・流出したことが確認されている。
●自治体向け業務
福島県にある各自治体の要望を把握して、復興庁内で関係する部門や関係省庁への橋渡しを行う役割を担っています。時には、自治体の首長から直接要望をお伺いし、要望内容を大臣や政務官に説明することもあるので、今まで感じたことのない緊張感から、夜も寝られないことも経験しました。
●民間企業向け業務
復興庁では、被災地地域企業が抱えている経営課題の解決や、経営力の強化のため、大手・中堅企業などの持つ経営視点(ヒト・モノ・情報・ノウハウなど)を効果的につなぎ、被災地域企業と大手・中堅企業などの継続的な協働を通じて、持続的に発展する地域経済の実現を目指す、地域復興マッチング「結の場」を展開しています。私もその事務局担当として参加しています。
<被災地企業支援の一例>
結の場(http://www.reconstruction.go.jp/topics/yuinoba.html)
●福島県における被災地の現状
復興庁に勤務して間もない4月下旬、私は復興庁職員として宮城県、福島県の被災地を視察しました。地震・津波で被害を受けた沿岸地域は、徐々に建物の建設が進んでいる一方で、福島県で原子力災害を受けた地域はいまだに立ち入りが制限されて、多くの住民が避難生活を余儀なくされています。
また、福島県下の企業は、原子力災害による風評により、農林水産業から観光業に至るまで大きな苦難を強いられています。この記事を読んでいただけた皆さまには、次の休暇で被災地へ足を運ぶとか、被災地の物を買ってくれるなど、引き続き、復興を応援していただければと思います。
仮設住宅
建設中の災害公営住宅
今後の活動
震災から3年が経過したとはいえ、実際に取り組みを始めて思うことは、復興活動は、まだ始まったばかりだということです。仮設住宅から公営住宅への入居も本格化するのはこれからですし、生活環境の整備、コミュニティ作り、産業の再生などの活動もこれから活発になってくると感じています。そういったこれからの取り組みに、私も何か少しでも役立つことがしたいと思っています。
執筆者 花岡 克彦
2014年4月に仙台の復興支援室に赴任。赴任前は、au損害保険株式会社へ出向し、スマートフォンやパソコンで販売する保険商品の企画や販売戦略の検討などを担当。現在は、復興庁で、福島県の復興に関わる業務を担当している。
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