広義でのビッグデータは、その名のとおり巨大、膨大なデータのこと。近年ではITの発達によって、このようなデータの集計、分析が容易となり、科学技術からマーケティングまで幅広い分野での活用が期待されている。
「○ペタバイト以上のデータをビッグデータと呼ぶ」といった基準はない。総務省は「事業に役立つための知見を導出するためのデータ」、アメリカの調査会社ガートナーは「量(Volume)」「速度(Velocity)」「多様性(Variety)」の「3つのV」が揃ったものがビッグデータであると、それぞれ定義した(正確性を示すVeracityを加えて「4つのV」とする場合もある)。ガートナー社の定義は、単に膨大な量を扱うだけでなく、さまざまな種類のデータをリアルタイムに集計・分析できるといった、ビッグデータ活用の特性を表しているといえるだろう。
身近なところでは、検索サイトやSNS、ショッピングサイトなどで表示される「あなたにおすすめ(の商品)」にビッグデータが活用されているといわれるが、ほかにも、地震やゲリラ豪雨が発生した際、場所や時間に応じて不特定多数の各人へ適切な避難情報を提供する、商業施設やイベント会場での人の流れをデータ化してマーケティングに活用する、などといった利用法が構想・実践されている。
一方、交通機関がICカード乗車券の利用履歴を社外へ提供すると発表した際、利用客から「プライバシーは守られるのか?」「気味が悪い」との不安の声が挙がった、という例もある。このビッグデータは、個人情報を分離した利用履歴ではあったが、交通機関は「説明が不足していた」として、利用客が要望すれば社外へのデータ提供を行わないと決定した。
ビッグデータの活用は、サービスや顧客満足度の向上につながるが、利害関係者への説明責任、そして情報管理の徹底が不可欠であるといえるだろう。
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