「僕のノートパソコン、ハードディスクの代わりにSSDを積んでいるから、超快適だよ」などという同僚や友人の自慢を聞いたことはないだろうか。SSD――ソリッド・ステート・ドライブともいう。いわば大容量のメモリーカードだと思えばよい。ハードディスクの代わりをするために作られた、巨大なフラッシュメモリーなのだ。
ハードディスクのようにディスクの回転やヘッドの移動(シークという)などの物理的な動きがないので、その分、データのやりとりが非常に高速になる。PCの環境にもよるが、ハードディスクのおよそ2〜3倍ほどデータの読み取り・書き込みが高速になるといわれている。
また、モーターなどの機械的部品も無く、ほぼ半導体のみでできているので、静かで軽く、衝撃にも強い。データにアクセスするとき以外は電力を使わないので、低電力で発熱も少ない。まさにノートパソコンにはうってつけのストレージ(記憶装置)なのだ。
ハードディスクと同様、インターフェースもシリアルATAなので、多くのパソコンで簡単にハードディスクとの交換が可能だ。
難点は価格だ。大手の量販店を見てみると、2015年7月時点で500GBが3万円前後。1TBだと5万円以上になる。以前からすると、かなり価格が下がったとはいえ、同容量のハードディスクの3倍以上だ。また、現在、市販されているものの容量は1TBが上限で、2TBや4TBなどが当たり前になりつつあるハードディスクと比べると見劣りはする。
とはいえ、SSDに替えるだけで、システムの起動が素早くなり、パソコンが静かで軽くなることのメリットはやはり魅力的であり、ストレージとしてSSDをチョイスする人が増加中なのである。