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スマホの普及に対応する小売り戦略「オムニチャネル」

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この1、2年、オムニチャネルというビジネス用語を目にしたり、耳にしたりする機会が増えてきた。オムニとは「すべて」を意味する英語の接頭辞だが、これがチャネル(経路)と結び付くと、オンラインショップ、リアル店舗、テレビ、ラジオ、ダイレクトメール、カタログなど、あらゆる販売のチャネルを統合して、いつどこからでも購入できる環境を実現する小売り戦略の意味になる。

具体例を挙げて説明しよう。オムニチャネルの背景にあるのはスマートフォンの普及だ。常時ネットにアクセスできるようになった結果、例えば、顧客は朝の身支度中にテレビで見て気になった商品を通勤中にネットで検索して注文し、配送は受け取りやすい最寄りのコンビニを指定することができるようになった。はたまた、気に入った商品がオンラインショップで売り切れていたら、リアル店舗を検索して在庫が残っている店に出向いて買うこともできる。どちらも今や日常的になった消費行動だが、そのためにネットとリアルをまたいだ顧客管理や在庫状況の把握、配送ルートの整備などで増やした顧客接点を、きめ細かくつなげていく取り組みがオムニチャネルなのだ。

もとより、スマホアプリをダウンロードさせて、割引クーポンを配信したり、ネットとリアルのポイントを共通化したり、位置情報から最寄り店舗を知らせたりするなど、ネットからリアル店舗に顧客を誘導する販促活動は「O2O」(オー・ツー・オー=Online to Offline)と呼ばれてきた。オムニチャネルはこうしたネットとリアルの提携をさらに深める取り組みともいえよう。


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