今年8月、内閣府は、今後30年以内に70%の確率で南海トラフ巨大地震が起こると発表した。その被害は、関東から九州全域まで及び、東日本大震災を遥かに超えるとも。同様にいつ起こってもおかしくないと言われている首都直下型地震など、日本は常に災害と背中合わせの状況にある。加えて、繰り返し発射される北朝鮮からのミサイル問題。
そんな状況のなか、災害時の重要な情報発信・収集源として定着しているのがTwitterだ。一方で、熊本地震の際は「動物園からライオンが脱走」といったデマ情報が流れ一時混乱状態になるなど、Twitterは誤った情報が流布しやすいという危険性も指摘されている。
そこで、今回はきたるべき“もしも”のときのために、2017年9月現在、政府機関や地方自治体など、Twitter上で、災害および防災情報を発信している「信頼性の高い」アカウントを紹介していこう。
政府機関のアカウント
■首相官邸(災害・危機管理情報)
フォロワー数:約246万人(2017年9月現在)

災害、危機管理関連情報の政府活動等を発信する首相官邸の公式アカウント。地震や北朝鮮ミサイル、その他台風や大雪、局地的豪雨などの大規模災害に関係する情報や注意喚起をツイート。政府機関の公式アカウントのため信憑性も高いので、緊急時に情報の正誤を確認するのに役立つ。また、必要に応じて海外で発生した事件に関する政府の対応等についても扱っている。
■総務省消防庁
フォロワー数:約92万人(2017年9月現在)

大規模災害に関する情報や総務省消防庁からの報道資料等を発信している公式アカウント。2014年9月の御嶽山噴火に際しては、被害状況レポートを連日更新。平常時は、火災予防運動や防火対策についてツイート。また災害情報のほか、防火対策など火災予防になるツイートも発信している。
■警視庁警備部災害対策課
フォロワー数:約43万人(2017年9月現在)

警視庁の災害対策専用の公式アカウント。災害速報のほか、国際緊急援助隊の派遣情報を発信している。そして、いちばんの特長は総合的な災害情報だけでなく、災害時の生活を想定したお役立ち情報を発信していること。たとえば「段ボールでつくる簡易スリッパ」や「水を節約してつくるパスタ」など、災害時の生活に役立つ情報をツイートしている。東京都民でなくても普段からチェックしておきたい、有益な情報を得られるアカウントだ。
メディア関連のアカウント
■NHK生活・防災
フォロワー数:約78万人(2017年9月現在)

NHKが運用する公式アカウント。地震・台風・大雪・大雨などの自然災害の速報のほか、防災・減災情報を発信。また「おいしく災害乗り切るレシピ」と題した災害食や災害時の口臭のケア方法といった、プラスアルファの生活・衛生面視点の情報もツイート。
■tenki.jp地震情報
フォロワー数:約151万人(2017年9月現在)
日本気象協会tenki.jp
日本気象協会が運用する公式アカウントのひとつで、Twitterアラートに指定されている。特長は、細やかな情報まで発信してくれていること。主要な防災アカウントではなかなか発信されない震度1以上の地震とそれに伴う津波の有無をすべて発信。また、ツイートともに添付してあるtenki.jpのサイトを読み込むと地図で地震状況を確認できる。
民間・個人のアカウント
■防災ガール
フォロワー数:約2千人(2017年9月現在)

「防災があたりまえの世の中に」をビジョンに防災の普及啓発を行う、一般社団法人防災ガールの公式アカウント。「会社で地震が起きたらどうするか」、「津波防災自治体ランキング」など独自にまとめた防災情報をツイート。「女性のための災害時必要な物リスト」といった女性視点の防災情報も発信している。
■特務機関NERV(ネルフ)
フォロワー数:約44万人(2017年9月現在)

アニメ新世紀エヴァンゲリオンに出てくる組織名を冠した非公式アカウント。東日本大震災の際に開設され、節電運動を作中に登場した“ヤシマ作戦”と名付けTwitter上に拡散。メディアに取り上げられるなど多くの反響を呼んだ。現在は災害情報から電力・運行状況などをツイートしている。災害情報のほか電力・運行情報も多く発信し、東日本大震災の“ヤシマ作戦”による功績で、一般の防災アカウントのなかでは特別に信頼の高いアカウント。
Twitter社のアカウント
■Twitterライフライン
フォロワー数:約42万人(2017年9月現在)

Twitter社が運営する公式アカウント。全国の自治体やマスコミが発信している災害情報のリツイートをしている。災害時に役立つアカウントを都道府県別にリスト化しているので、自分の住んでいる場所の地方自治体アカウントをすぐに確認できる。
その他機能
■Twitterアラート
東日本大震災以降、Twitterに実装された災害情報発信機能。災害時、政府機関や地方自治体など各種機関がTwitter上で発信する緊急情報ツイートに、オレンジのアラートマークを付けて目立ちやすくするというもの。該当機関からの受信を設定画面から許可することでプッシュ通知も受け取れるようになるので活用するとよいだろう。

日本気象協会tenki.jp
災害時、重要になってくるのは「いかに早く正しい情報を知るか」ということ。ほかにも、災害情報などを発信しているアカウントはあるが、ここで紹介した8つのアカウントは信頼性も高く、それぞれに独自の特長があるのでフォローしておきたい。普段からアカウントをチェックする習慣を身につけよう。
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