ハッカソンとは、プログラマーやグラフィックデザイナー、プロジェクトマネージャーなど、IT技術者、関係者が集まり、ソフトウェアやシステムを共同作業で作り上げるイベントのこと。ハック(コンピューター好き、仕事術など多数の意味が込められた単語)とマラソンを組み合わせた造語だ。
イベントにより順序が前後する場合もあるが、ハッカソンの大まかな流れは次のようなものとなることが多い。
まず、事前ミーティングとして「アイデアソン」を実施。ここで参加者はチームに振り分けられ、交流を深めながらイベントのテーマに沿ったアイデアを出していく。アイデアを基に、チームとして作りたいソフトウェア、システムが決まったら、プレゼンテーションを実施する。
アイデアソンで考案したものを、ハッカソンで実際に制作するが、マラソンを語源とするとおり、24時間徹夜のハッカソンや1週間程度を費やすイベントも存在する。チームで作り上げた作品は、発表会で審査員や聴衆に公開。優秀な作品が表彰される仕組みだ。
以上の流れから、ハッカソンは、制作物に対する情熱が必要なのはもちろん、発想力やユーザーが求めるものをくみ取る洞察力、そして短い時間でも過不足なく伝えるプレゼンテーション力など、チームとして総合力が求められるイベントといえる。
日本国内でもハッカソンは行われており、IT企業がほかの業界を巻き込んだり、IT以外の業種がハッカソンを行ったりしている。例えば、NHKやTBSといった放送局が番組と連動するアプリ、ウェブサービスを作るハッカソンを開催した。一方、水産業の活性化を目的として、一般消費者向けウェブサービスを考案する「水産ハッカソン」など、その業界の課題を解決する試みも行われている。
IT業界と関わりの少ない人にとって、ハッカソンは馴染みのないイベントかもしれない。しかし、Facebookの「いいね!」ボタンは、社内ハッカソンから生み出されたもので、実は身近なところでその成果と接しているのだ。
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