香港の4人の大学院生らのスタートアップが作っている「アンブレラヒア(Umbrella Here)」は、雨が降ったら傘の石突き、つまり先端の部分に取り付ける、光るガジェットだ。雨の中、アンブレラヒアを光らせて歩いていると、タクシーの「空車」のサインのように、「傘に入ってもいいですよ」という合図になる。
見知らぬ人に「傘に入れてください」と頼むのは、内気でない人にとっても難しいことだろう。しかし、傘を差している人の方で歓迎の意を表明してくれていれば頼みやすい。自分の傘を地域コミュニティーでシェアしてもらい、人々を結びつけようという発想だ。
アンブレラヒアはアプリでコントロールでき、傘に入れた回数や歩いたルートも記録してくれる。袖すり合うも多生の縁ということで、ウェブサイトでは、傘に入れた人と入った人とがコンタクトを保つ機能を提供する。また、傘を置き忘れないようにリマインダーも表示してくれる。
屋内では、傘から外して置いておけば、お天気ガジェットとして使える。外が暑ければ赤く、寒ければ青く、また雨が降れば点滅して、外出時に傘を忘れないようにと教えてくれる。
普及には、「アンブレラヒア」の「この傘に入ってもいいですよ」の意味を多くの人に知ってもらうことが課題となるだろう。来年1月の発売を目指してKickstarterで資金募集を行っており、20ドルの支援で1個入手できる。
著者:信國 謙司(のぶくに・けんじ)
NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。
参考情報(外部サイト)
Umbrella Hereのウェブサイト
KickstarterのUmbrella Hereページ
Would you invite a stranger under your umbrella? This app will let you do just that
The Sharing Economy Comes to the Umbrella
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