画像提供:Bitfinder
今話題のIoT(モノのインターネット)は、エネルギーや社会インフラ、流通、製造、医療、農業まで、ありとあらゆる分野に広がる技術であり、IDC Japanの調査によれば、国内のIoT市場売り上げ規模は、2014年には9兆3,645億円にもなっており、2019年には、16兆4,221億円に達すると見込まれている。
アメリカでは、IBMやシスコ、GoogleやFacebookなども次々に市場に参入しているが、中でもGoogleは、室内の環境をコントロールするIoTデバイスを開発するNestという企業を32億ドルで買収して大きな話題となり、この6月にも、室内をカメラでモニタリングする新製品を発表したばかりである。アメリカの調査会社ガートナーのデータでは、IoT市場への投資額は2015年には695億ドルとなり、2020年には2,630億ドルにまで拡大すると予想しており、多くの企業やスタートアップが、新しいフロンティアを目指してさまざまな製品や技術を発表している。
画像提供:Bitfinder
そうしたなか、Bitfinder社が開発したAwairは、見た目はコンパクトなワイヤレススピーカーながら、室内環境をマルチモニタリングできるIoTデバイスとして注目を集めている。室温や湿度、ホコリの量などを、専用アプリ(AndroidとiOSに対応)を使ってどこからでも確認できる。特筆すべきは精度の高さで、見た目の地味さとは相反して、レベルは0から4,000 ppmまでの細かなCO2微粒子を測定し、揮発性有機化合物(VOC)による汚染度も測定できる。万が一、室内の空気中に異物が検知された場合は、アプリから声で「話す」ように教えてくれるという。秋に公開されるiOS9でオープン規格になるAppleの音声システムのSiriと組み合わせれば、会話をするように操作でき、どのような状態が自分にとっていちばん快適かをAwairに教えれば、搭載されたアルゴリズムが自動で学習して最適な状態を保つようにしてくれるという。
空気を最適化するにあたり、単体では難しいことから、Awairはレシピと呼ばれる動作設定を指定できるIFTTT(イフト)に対応しており、空気清浄機や扇風機、加湿器などWi-Fi接続できる機器をコントロールできるよう、APIが公開されている。それらはスマホやスマートウォッチから操作可能で、ヒューマンフレンドリーなIoTデバイスの代表モデルにもなりそうだ。
発売はこの秋からで、先行予約価格として25%オフの149ドルで発売予約が始まっている。IoTはヒトとモノがネットを通じてコミュニケーションできるようにする技術でもあるが、Awairでは本当の意味でモノとの対話ができることになりそうだ。