スマホはどうやって指紋を見分けてる?
iPhone(5s以降)やサムスンGALAXY(S5以降)など、いまや多くのスマホが搭載している指紋認証機能。ホームボタンの上に指をのせるだけで、即座にセキュリティーロックが解除されるこの便利さ! 味わってしまえば、もう昔には戻れません。
それにしても、いったいどういう仕組みになっているのか? これは持ち主の指紋、これは他人の指紋と、スマホはどうやって区別しているんでしょうね?
理屈はいたってシンプルだ。指紋センサーで読み取った指紋のデータを、保存してある持ち主のデータと比べる。一致したらロック解除、一致しなければ「ダメです。使わせません!」。頑として解除しない。
ホームボタンの下は指紋センサー
では、指紋を読み取る仕組みから解説しよう。いろいろな方式があるが、ここはiPhoneなどが使っている「静電容量方式」を例にとろう。ホームボタンは指紋センサーを兼ねていて、ボタンの内側には何万もの電極が埋め込まれている。下の図のように、指の表面の凹凸が指紋なわけだが、センサーの保護板に直接触れた凸部の下にある電極のほうにたくさんの電荷がたまる。これは指がかすかに汗をかいていて、電気を通す電解質を含んでいるからだ。この電荷がたまっている電極の位置をマッピングすれば、指紋の画像データができあがるというわけだ。
ホームボタンの下にはたくさんの小さな電極が並んでいる。指紋の凸部が触れたところにある電極のほうにより多くの電荷がたまる
次に、指紋の画像データはどうやって比較され、一致しているかを判断するのか。下の図のように、指紋の模様にはいくつかの特徴点というものがある。線が分かれる分岐点や三角州のような形の場所、袋小路のような端点。これらの特徴点を探し出し、その特徴点が指紋の中心点からどの位置にあるのかをデータ化するのだ。およそ20〜40個の特徴点があれば比較は可能だという。
指紋に含まれる上のような特徴点を見つけ出し、それらが中心点からどの方向にどれくらい離れているかをデータ化するのだ
夏の音楽フェスでも指紋認証でお買いものが
スマホはそうやって、持ち主の指紋のデータを取得、保存しておき、ロック解除のたびにホームボタンの上の指紋と比較しているわけだ。指紋認証は本人識別能力が非常に高く、他人の指紋と間違う可能性はなんと、0.0002%以下※だという。しかも、平均照合時間は0.3秒と超スピーディー!!
※株式会社富士通研究所の技術情報を参照
これは、PCにUSB接続して、指紋による本人確認ができるようにする指紋認証リーダー「FP-RD2」(サンワサプライ)。こういった製品も増えてきている
この指紋認証、最近ではスマホやPCなどのロック解除以外にも、さまざまな場所で使われている。たとえばハウステンボスでは、2015年から指紋認証による決済サービスを開始。施設内では端末に指をのせるだけで支払いができるのだ(もちろん、入園時の登録とデポジットが必要)。また、夏の音楽フェスなどでも同じような指紋認証による決済サービスを取り入れる動きもある。もしかしたらサイフもカードも持たず、指1本で買いものに行ける日が来るのも遠くないかも。
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