写真提供:GAMEPLUS
ハコスコやGoogle Cardboardの登場で身近になったVR(仮想現実)は、近い将来、紙のコントローラーでより身近なものになるかもしれない。
OculusやVIVEなど高性能なVR向けHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が次々登場する一方で、コンテンツを操るコントローラーはまだ発展途上にあり、グローブタイプやリング式などさまざまなアイデアがスタートアップを中心に提案されている。だが、その多くはHMD以上に高価で、設定が難しいなどの課題が残っている。
それに対しPaperStick.netというグループが発表したアイデアは、スマートフォンでプレイするVRコンテンツという制約はあるものの驚くほどシンプルで、コピー用紙にプリントしたコントローラーでVRゲームをプレイできるという超画期的なものである。しかも、そのコストはたった2ドルしかかからないという。使い方も簡単で、プリントアウトした紙を線に沿って折り畳んでスティック状にし、指示された場所に指を置いた状態で動かすだけ。ハコスコやカードボードに取り付けたAndroidスマートフォンのカメラの前にPaperStickをかざして動かすと、それだけでVRゲームやコンテンツを操作することができる。
アイデアはシンプルで、紙に印刷された大きな文字をカメラで読み取って、位置情報を判断するというもの。3Dのデジタル情報を階層化された状態のまま読み取るという、4年前からすでに存在するAR(拡張現実)技術が使われていて、特別な特許のある技術ではないからなのか、コントローラーのデータは誰でも無料で使えるようウェブ上に公開されている。
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現時点では、まだ同期が不十分だったり、操作する場合にカメラから指の位置がはっきり分かるようにするといった工夫は必要だというが、それ以外はシンプルで、ボタンがたくさん付いたコントローラーよりもはるかにシンプルで操作しやすい。むしろ、みんなで無料で使ってみて、実用化のためのアイデアを出し合って、より使いやすい技術にしようというのが公開の狙いなのかもしれない。
ハイエンドのVRが人気を集める一方で、低価格のお手ごろなVRも人気を集めており、FacebookやYouTubeでも360°のコンテンツが増えていることから、近い将来、雑誌の付録やファストフードのおまけとして、カードボードやハコスコと一緒にPaperStickがセットで配られるようになるかもしれない。
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