2人に1人がスマートフォン利用者となった今、それに続けとばかりにスマートウォッチがブームの兆しを見せている。各社がさまざまな性能を盛り込んで続々と製品を発表している中、アメリカのスタートアップ企業が開発しているのは、見た目も機能もシンプルなスマートウォッチ。シニアをターゲットにした「Kanega Watch」だ。
先住民族の言葉で「話す」という意味を持つ"Kanega"という言葉を冠したこの製品は、その名のとおり、声でコントロールできるスマートウォッチだ。スマートフォンとの連携は不要で、話しかければ薬を飲む時間や量を教えてくれたり、「家までの道は?」と問えば道案内をしてくれたり、「転んだわ!」と助けを呼べば緊急通報に連絡もしてくれる。
操作がシンプルなことに加え、普通の腕時計のようなデザインなので、デジタル機器に苦手意識のあるシニア層でも抵抗なく身につけることができるし、生活防水が施されているので入浴時でも装着可能。高齢者の欲しいもの、必要なことをしっかりと備えているのだ。
それもそのはず、「Kanega Watch」は開発者である女性エンジニアが、自身の80歳(当時)の母とその双子の伯母との生活の中で、リアルに感じたニーズをカタチにした結果生まれた製品。使用方法の案内を見てみると、「(時計に)名前を付けると話しかけやすいですよ」といったアドバイスがある。ちょっとしたことだが、デジタル機器になじみの薄い高齢者にも、親しみやすく使ってもらえるよう、作り手の心遣いと愛情があちこちに感じられるスマートウォッチなのだ。
「まだまだ元気! 大丈夫!」という若々しいおじいちゃん、おばあちゃんが増えているが、子や孫にとってみればもしものことを考えると心配は尽きないもの。早ければ2016年頭に発売予定の「Kanega Watch」で、心配を解消しながら、シニアの元気ハツラツライフをサポートしたい。