富士山のLTE化を知ってもらうため、山頂でキャンディをプレゼント
いつでもどこでも快適につながるネットワークの構築を追求しているKDDIは、日常的に利用するエリアだけではなく、人が大勢集まるコンサートや花火大会などのイベント会場では、車載型や臨時の基地局を設営して通信回線の混雑を緩和している。また、この夏には、山開きに合わせて富士山の登山道・山頂のLTEエリア対策を行いスマートフォンが昨年よりも快適に使える環境を整えた。
そして、今年の富士山頂のLTEエリア化をさらに多くの人に知ってもらうのに一役買ったのが、auスマートパスのクーポンを見せると、富士山頂でauオリジナルキャンディをゲットできるキャンペーン。富士山頂にある4軒の山小屋の協力を得て、各山小屋で200袋ずつ、計800袋をプレゼントした。
キャンペーンの発案者は、コンシューマ営業本部 コンシューマ営業企画部の川北真理さん。「『auは富士山でも快適に使えます』とそのまま伝えてもなかなか関心を持ってもらえないのです…」と川北さん。どこでもつながって当たり前の昨今、富士山の山頂でもauは快適に使える、ということを多くのお客さまに知っていただくため、川北さんは頭をひねった。そして思いついたのが、富士山頂でのauスマートパスクーポンの利用。このかつてなかった企画実現のため、川北さんは山小屋オーナーたちの元へと交渉に出向いた。
「山小屋のオーナーの方にクーポンを見せたら何かを割り引くとか、あげるといった対応ができないか相談させて頂いたところ、『シーズン中の山小屋はとても忙しいから、クーポンを見せてくれたら何かあげるような、簡単なことならできる』とおっしゃって頂き、じゃぁ簡単にあげられるものって何だろうという話になりました」
オーナーさんたちとの会話で、山頂ではお菓子を売っていないことが判明した。富士山は下山もかなり大変なので飴ならエネルギー補給になるはず。そこで「飴を配ろう!」と話がまとまり、帰りの電車では、同行していた先輩と、どんな飴がいいかで話が盛り上がった。その中で浮かんだのが、金太郎飴。そして、出来上がったのがバルセロナ生まれのキャンディショップ「papabubble」とのコラボレーションしたauと富士山をモチーフにした4種類のオリジナル金太郎飴だ。
富士山頂にある4軒の山小屋で配布。バルセロナ生まれのキャンディショップ「papabubble」とのコラボレーションで作ったauオリジナルキャンディ
ところが、いざ山頂にオリジナルキャンディを荷上げするときになって初めて、川北さんは、山頂の気圧の低さをすっかり忘れていたことに気がついた。「飴の袋が気圧の変化で破裂するのではないかと、山頂に届いたと連絡が来るまでものすごく不安でした。ブルドーザーで運ばれた飴が富士山頂に無事に届いたと連絡が入った時はとても安心しました」。
このキャンペーンは話題になり、TwitterやFacebookに「かわいい!」などと書き込まれたり、「いいね!」もたくさん集まった。自分が考えた企画がお客さまに楽しんでもらえた、それが川北さんにはとてもうれしかった。人に喜んでもらうことこそ、川北さんの仕事への原動力のひとつだからだ。
人の役に立ち笑顔にする仕事を志望してKDDIへ
学生時代、消費者の購買行動や心理学、マーケティングを学んでいた川北さんは、アパレルショップで約3年間、販売員のアルバイトをしていた。接客中、お客さま自身が無意識に求めているものを探り当てて提案することで、喜ばれ、感謝される経験を重ねて分かったことが、自分は、人の役に立ち、喜ばれ人を笑顔にできる仕事に就きたい、という思いだった。
就職先に通信業界を意識するようになったのは、就職活動中のこと。通信環境があると世界中どこにいる人とでもコミュニケーションが取れ、遠隔医療・教育など数々のことが可能になる。幸せな未来を築き、人々を笑顔にすることにつながる通信業界に大きな魅力を感じたのだ。
「通信会社を何社か受けましたが、KDDIの面接で会議室に入った瞬間、『この会社で働きたい』と強く感じたんです。面接官の雰囲気がすごく良い印象だったのが大きかったのでしょうけれど、自分の体の中に流れている何かと同調するものがあるような、それまで経験したことのないすごく不思議な感覚でした」
お客さまに直接接したかった川北さんは営業職を強く希望していたものの、最初の配属先は、エリア構築にマーケティングの視点を取り入れ始めた建設本部だった。川北さんは、つながりやすさや満足度の県別データを分析し、全国の建設部門に展開したり、翌年度に構築するエリアに必要な基地局数や費用を算出する「年度計画」の作成に取り組んだ。
当初はさっぱり分からなかった技術関連の専門用語も徐々に分かるようになり、建設部門の仕事に慣れた頃、川北さんはコンシューマ営業企画本部auエリア戦略推進室(当時)に異動になった。それから今日まで携わってきた主な業務は、建設本部の頃と通じる部分も多く「ここがつながらない」といったお客さまからの声の分析や、マーケティング調査の結果をベースにしたエリア改善計画の立案であった。
エリア改善だけでなく、それを知ってもらうことが大きなテーマに
そしてエリア改善に加えて、近年、著しく増えている仕事がある。
「最近は『エリアが良い』というのは当たり前。エリアが意識されるのは、品質が悪い、電話が切れた、ネットがつながらないといった不満を感じるときなのです。つまりエリアは、利用者自身の行動範囲内で問題なく使えていれば、特に意識することがない・興味が湧かないことが多く、新しい端末やサービスのようには興味を持って頂きにくいのです。エリアがそういった性質のため、お客さまにauのエリアは実はとても広く、さまざまな場所で安心して使えると知っていただくにはどうすればよいか、この2年ほどずっと考え、模索しつつ、いろいろとチャレンジしています」。
富士山でauのネットワークをつなごうと、建設本部の社員たちが奮闘した基地局建設の裏話などを紹介したスペシャルサイト「ツナゲル社会科見学」の開設も、楽しみながらエリアについて知っていただくため、川北さんが新たに手掛けたことのひとつ。また、auが新たにエリアになった地域に直接赴き、村長と面談して、auもちゃんとつながるということを広報紙に掲載してもらったり、auがつながることを示すステッカーを貼らせてもらうといった地道な広報活動にも川北さんは携わっている。
「エリア関連の仕事というのは、営業独自で実施できるものは少なく、宣伝、広報、カスタマーサービス、技術企画、建設の各部門と一緒に行うものがほとんどです。営業企画部発でキャンディをプレゼントできるのも、建設本部が電波対策や設備の荷上げをきちんとしてくれているからできることです。今回のスマートパスクーポンはスマートパス推進部とも一緒に進め、本当にみんなで一丸となってやっています」
イベントでWi-Fi機材を背負って自らエリア対策
『進撃の巨人』調査兵団の衣装に身を包んだ「au Wi-Fi調査兵団」の一員として自らエリア対策
部署を超えたエリア対策の一例が、2013年夏のコミックマーケットから導入された「人間Wi-Fi」だ。大きなイベントでは、KDDIは車載型移動基地局を投入したりしてエリア対策を打っているが、会場内では、人が多過ぎて回線が逼迫する場所が出てくる。そこへau Wi-Fi SPOTの機材を詰め込んだリュックサックを背負って行き、回線の混雑を緩和するのが人間Wi-Fiの役目だ。複数の部署の社員で構成されるこの人間Wi-Fi隊に川北さんも手を挙げ、昨年末のコミックマーケットで人間Wi-Fiを務めた。それも、『進撃の巨人』調査兵団のコスプレに身を包んだ「au Wi-Fi調査兵団」の一員としてだった。
そして調査兵団姿になった川北さんのところには、「写真を撮らせてください」「一緒に撮りましょう」と人が群がり、「1日であれほどの数の写真を撮られたのは人生で初めて」という経験をした。
「もともと営業希望で、お客さまと接したい方だったので、実際に普段使ってくださっているお客さまから『au使っているよ』などたくさん声をかけて頂いて、すごく嬉しかったですね。普段お客さまと直接接することがないので、自分の中ではとてもいい経験になっています」
水中にて、イルカを撮影
忙しい仕事の合間を縫って、4年ほど前から、年1回程度は御蔵島に行き、イルカと一緒に泳いでいるという川北さん。「水の中がすごく好きで、キューキューと鳴いてイルカが回りを泳いでくれたり、目が合うとすごく癒やされるんです」と言う。
いろいろな場所でつながるauをひとりでも多くの方に知っていただき、auファンになっていただくため、川北さんは今日も新しいアイデアに思いを巡らせている。
川北真理(かわきた・まり)
2005年
KDDI入社。建設本部に配属。経済学部卒業
2009年
コンシューマ営業企画本部 auエリア戦略推進室に異動
2011年
コンシューマ営業本部 コンシューマ営業企画部に組織名変更
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