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Facebookも開発に本気! 「全天球カメラ」とは?

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ぐるーり360°パノラマを撮るカメラ

世界的家電見本市「CES2016」で、VR(仮想現実)とともに多くの製品が発表されて話題となったのが全天球カメラだった。全天球カメラとは、前後左右だけじゃなく、上も下も全部、つまりぐる〜り360°のパノラマ写真を撮るためのカメラのことだ。しかも最新の製品は動画だってOKなのだ。

まずは全天球カメラで撮影した360°全天球動画を実際に見てもらおう。下のYouTube動画は、あとで紹介するリコーの「THETA S」という全天球カメラを用いて撮影したもの。なお、現在、YouTubeの360°全天球動画再生に対応しているブラウザは、Google ChromeとOperaのみ(2016年4月時点)なので、ほかのブラウザをご利用の方は、Google ChromeかOperaをインストールしてからトライしていただきたい。また、スマホで見る場合は、YouTube公式アプリが必要だ。

360°全天球動画、ご覧いただけただろうか。マウスでグリグリして、360°どの方向でも見ることができる。動画となるとなんとも感動的だ。

2万円台からのリーズナブルな機種が登場!!

360°全天球の静止画はこれまで、1台、あるいは複数のカメラで360°グルリと撮影したものを、専用のアプリケーションを使ってPC上で合成して作成していた。だから、これが動画となると映画のSFXレベルの作業となり、もはやアマチュアでは無理。ところが、上の動画の撮影に用いられた「THETA S」やコダックの「PIXPRO SP360」といった2〜4万円ほどで手に入れられる専用カメラが2014年ごろから登場し、グッと敷居が下がったというわけだ。今後もニコンなど各社が追随する予定で、2016年中にはさまざまな機種が登場する。楽しみだ。

全天球カメラを一挙に身近なものにしたリコーの「THETA」シリーズのこれは「S」。テレビのリモコンなどとほぼ同じ大きさなので、とてもカジュアルに持ち歩ける

こちらはニコンから発売予定の全天球カメラ「KeyMission 360」。4Kの高精細動画が撮影できるという

カメラの構造はシンプルで、180°パノラマを捉えることができる魚眼レンズが、カメラの胴体を挟んで2個背中合わせになっている。前と後(上と下でも同じことだが)で180°ずつ撮影して、合わせて360°というわけだ。そして、データの合成もカメラ本体が自動的に行ってくれる。誰にでも簡単に360°全天球動画が撮影でき、しかもYouTubeがこの360°全天球動画に対応したことによって、多くの人に見てもらえる時代がやってきたというわけなのだ。

VRをめぐるFacebookの野望!?

さて、この全天球カメラだが、VR(仮想現実)との関係を忘れてはいけない。現在発売中、あるいは発売予定の多くのVR向けヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、この360°全天球動画に対応している。つまり、自分が撮影した360°全天球動画をHMDで見れば、まるで撮影したその時間と場所に戻ったかのようなリアリティを感じることができるというわけだ。HMDを装着したまま上を見れば上が、右を見れば右が、振り返れば後ろの情景が見えるのだから。しかも動画で!!

そのVRと360°全天球動画に本格的に取り組むことを宣言しているのが、なんとFacebookだ。2016年春、FacebookはVR用の超高機能な全天球カメラを発表した。その名も「Surround 360」。その巨大なこまのようなボディの側面には14台のカメラが、上部には魚眼レンズのカメラが1台、底には2台のカメラを備え、3D映像の撮影も可能だという。一般販売はされないが、Facebookではこのカメラを用いて新しいサービスを始める予定だ。それがどんなものかは、以下のリンクからアクセスできる「facebook 360」で知ることができる。ちなみに、YouTube同様、360°全天球動画にFacebookもすでに対応済みで、誰でもアップロードできる。
https://facebook360.fb.com/

これがFacebookが発表した独自の高機能な全天球カメラだ

Facebookは極めて高解像度でプロフェッショナルな360°全天球動画の撮影で主導権を握り、VRの世界にどんどん進入を果たしていくという野望を持っているようだ。ま、それはそれとして、私たちも簡単に360°全天球動画が撮影できるようになったからには、そのうちプライベートな動画もHMDで見て追体験するのが普通となるなど、がぜんVRというものが身近になっていくのは間違いないだろう。

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いよいよ実現化する「スマートグラス」。ヘッドマウントディスプレイとの違いは?

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産業界に進出するグーグルグラス

スマートグラスのグラスはサングラスのグラス。つまり”賢いメガネ”のことであり、GPSなどのさまざまなセンサーやカメラ、マイクなどを搭載したメガネ型ウエアラブル端末のこと。インターネットにもつながるので、メガネのかたちをしたスマホと考えてもいいだろう。

と、ここでグーグルグラスを思いだした人も多いはず。メガネの右目レンズのあたりに小型ディスプレイとウェブカメラがついたスマートグラスがグーグルグラスだった。……と、過去形で書いたのは、2016年1月をもってアメリカとイギリスで行われていたテスト販売が終わったからだ。とはいえ、開発を中止したわけではない。グーグルグラスをB2B、つまり産業向け製品として開発する方向にグーグルは舵をきり、今も盛んにパートナー企業とともに実証実験や研究開発を行っているのだ。

スマートグラスの一つの原型をつくり出したグーグルグラス

産業の現場で使用が進むスマートグラス

実際、スマートグラスは産業向けを中心に、ものすごいスピードで実用化が進んでいる。たとえば、下にリンクを張っている動画は、世界的運送業者のDHLがスマートグラスを倉庫作業で使う実験をしたときの様子を紹介するものだ。スマートグラスのディスプレイに、探している荷物の位置情報や作業手順などを映し出し、作業員はその指示に従って荷物をピックアップする。スマートグラスのカメラがスキャナーの役割も果たすので、伝票に記入するといった手間も不要。しかも両手が自由に使えるので、25%も作業効率が上がったそうだ。

スマートグラスを、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と混同している人も多いようなので、ここできちんと区別しておこう。どちらも「ウエアラブル端末」「ウエアラブルPC」の一種だが、HMDは「仮想現実(VR)のための端末。スマートグラスのほうは「拡張現実(AR)」のための端末と考えていい。

「仮想現実(VR)」は、たとえばゲームなどでつくられた世界にあたかも自分が入り込んだように、視覚的、聴覚的に “没入”するための技術。一方「拡張現実(AR)は、透過型の小型ディスプレイによって、肉眼で見える視界にさまざまな情報を重ねて映していくもの。たとえば、街を歩いているときに、スマートグラスに目的地を声で伝えると、目の前の実際の風景に重なるようにして地図や方向指示が表示されてナビしてくれる。文字どおり「現実の情報を拡張する」ための技術だ。

スマートグラスの肝は拡張現実(AR)にあり

そんなふうに、実際に見えている現実の世界に対してさまざまな情報を重ねて表示することを拡張現実(AR)という。言葉だけ見ると難しそうだが、肉眼で見えているものに、いろいろな情報をデジタル的にベタベタと貼るようなものだと思えばいい。具体的な使用例を挙げると、工場で作業をしている人のスマートグラスのカメラから送られてきた画像に、遠方にいる管理者がPCで押してほしいボタンに丸印をつけて送り返す。すると、作業員のスマートグラスのディスプレイにその丸印がリアルタイムに浮かび上がる。作業員が、その印をついているボタンを押す。そういったことを可能にするのが拡張現実だ。

この拡張現実の画像をスマートグラスに映し出すとき、肉眼で見えているものと画像との間にはどうしてもズレが生じ、認識しづらかった。その欠点を解消する技術、その名も「PITARI」の開発に成功したのがKDDI研究所だ。言葉ではよく分からないと思うが、下の説明動画を見てもらえれば、「なるほど、そーゆーことか」と、すぐに理解してもらえるはずだ。

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さまざまな製品が登場、まさに百花繚乱

この拡張現実というスマートグラスの肝となる機能、なんとなく分かってもらえただろうか。実際の製品を紹介している動画を紹介するので、拡張現実を用いたスマートグラスならではの便利さを目で見て知ってほしい。まずは、ソニーから発売されている「SmartEyeglass」がこちらだ。Android端末とWi-fiかBluetoothで接続して使用し、コントロールは声でおこなう。

一方、こちらの「Telepathy Walker」は、一般向けに開発された単眼方式のもの。スターウォーズのパロディで「Telepathy Walker」の機能を紹介している下の動画を見れば、これまた、拡張現実というものの便利さが伝わってくるはずだ。

ほかにもエプソンの「MOVERIO」や、コニカミノルタの「WCc」、サン電子の「エースリアル」など、数多くの製品が発売中、ないしは発売予定で、百花繚乱といってもよいほどだ。ほとんどが企業をメインターゲットにしているので、まだまだ目に触れることが少ないが、スマートグラスが確実に私たちの社会に浸透しつつあることだけは間違いない。

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【おもいでタイムライン】第5回:1999〜1997年、手のひらからIT革命

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まだオフィスには個人用のパソコンもなく、あるのは電卓と電話、というのが当たり前だった時代の光景
KDD(国際電信電話株式会社)1985年社内報より

日本で初めての携帯電話「ショルダーホン」が発売されてから、約30年が過ぎました。そして携帯電話の進化と同時に、私たちのコミュニケーションも大きく変化してきました。携帯電話の歴史は、コミュニケーションの変遷の歴史でもあるんです。

では、一体どんな風に変化してきたのでしょう?

TIME & SPACEがお届けする、携帯電話の歴史30年を振り返るサイト「おもいでタイムライン」連動連載の第6回をお届けします。今回は1999〜1997年までさかのぼってみましょう。

■おもいでタイムライン
http://time-space.kddi.com/omoide/index.php

「IT革命」ということばが使われはじめたのは1990年代の初め頃から。バブル期の頃につくられた日本映画やドラマの再放送を見て、ちょっと違和感を覚えませんか? 街の風景によく知ったランドマークやおなじみの商業施設がなかったり、クルマやファッションが古くさかったりということもあるのですが、なによりもオフィスのデスクにパソコンがない。電話(これも微妙に古い)と書類の入ったファイルとボールペンしかなくて、妙にツルッとした印象を受けたりも。この頃から電子メール(eメール)が登場し、企業が「ホームページ」を制作して自社のサービスやデータを公開するようになり、ビジネスマンも少しずつコンピュータを仕事に取り入れるようになりました。

「IT革命」自体は、この時期から起こりつつあったのですが、流行語大賞を受賞するのは2000年のこと。そこで世間一般に幅広く認知されるようになりました。1999年に登場した、携帯電話のある機能がきっかけといってもいいでしょう。それにより人々のコミュにケーションが一変した機能――そう、携帯電話のインターネット接続サービスのスタートです。ビジネスの世界ではすでに起こっていたIT革命が、生活の中に、わたしたちの手のひらの中にもたらされたのがこの時代だったのです。

誕生して間もない頃の、携帯電話のインターネット接続サービスは、さまざまな制約があったものの、生活に大きな変化を生み出したものでした。今回はそこのところを振り返ってみましょう。

携帯電話からメールが送れるようになって変わったこと。

この時代の携帯電話・スマホは?
「506G」(1997年発売)
→この携帯電話の「おもいでタイムライン」記事へ

この時期、携帯電話は「文字」というコミュニケーションツールを手に入れました。最初は97年、同じキャリア間だけでやり取りできるショートメッセージサービスのみでした。当時、IDO(日本移動通信)が提供していたのは「プチメール」。月額利用料なしで、メール送信1回1円(契約によっては5円)という設定で、最大128文字まで送受信可能。”最大”というのは、半角文字の場合で、全角だと半分の64文字が限界。情報をたくさん送りたい時には、半角で書くというつましい努力をしたものです。メールには送信者の電話番号が記録されるので、本文中に自分の名前を書かなくても誰からのメールであるかは、一応は分かるようになっていました。

文字数制限は今のSMSにもありますが、決定的に違うのが、”受話できる状態じゃないと届かない”という点。電源が入っていなかったり圏外の場合、こちらのメールは一切届かなかったわけです。だから「メール」とはいえ、通話に近いかたち。あと、携帯電話会社が違うと送れないという制約がありながら、どうしても送りたいときはポケベルとおなじ「文字コード表」に則って数字と記号でトーン入力する、という超めんどうなやり方もありましたね。

(左)EZweb、(右)iモードのロゴ
→このロゴの「おもいでタイムライン」記事へ
※「i-mode」ロゴは、株式会社NTTドコモの登録商標です

若者たちのコミュニケーションツールとしてはこれでも十分人気だったわけですが、革新的だったのは、99年のiモード、EZweb、J-skyの登場です。これ以降、携帯電話でもいわゆるPC間でやっていた「eメール」の送受信が可能になったわけです。パソコンともやり取りできるし、128文字どころではない長い文章も受け取ることができるようになりました。

今では想像もできませんが、「メールチェックしに会社に帰る」あるいは「メールチェックしに休日出勤」みたいなことが、当時は結構あったんです。仕事上のメールを確認したり返信したりするために、わざわざオフィスに出向いてパソコンを立ち上げたり……。だからその頃は、eメールといっても、要件を送信して返信をもらうのに1、2日を要するなんてこともありました。携帯電話のネット接続は、ビジネスのスピードも飛躍的にアップさせたというわけです。……まぁ、逆にいうと、どこにいても対応せざるをえなくなってしまったわけですけどね。

手のひらからインターネット!

この時代の携帯電話・スマホは?
「C201H」(1999年発売)
→この携帯電話の「おもいでタイムライン」記事へ

1997年頃、はじめてPCからインターネットに接続したとき、荒波にもまれながらもなんとか乗りこなしていくのはとてもエキサイティングでした。まだダイヤルアップ接続で、ネットにつなぐのにパソコンから「ピポパポ」とダイヤルしたものです。で、当時のネットタイムといえば、時間限定でつなぎ放題の深夜から早朝まで。海外のショッピングモールとか、通販とか、映画会社などなど、回線の向こう側に無限に広がる世界に夢中になる人が続出したのもこの頃。

それが、手のひらの携帯電話で自由に操れようになったんですから! 携帯電話のインターネット接続によってもたらされたもうひとつの恩恵は、「携帯電話でインターネットコンテンツが見られる」ことでした。

もちろん、当初はPCほどの自由度はありませんでした。「ニュース」や「着メロ」、「待ち受け」みたいに、あらかじめ決められたメニューから番号で選んで深い階層に入っていき、決められた中で気になるコンテンツにアクセスしていたものでした。携帯電話特有の縦長で簡素化された表示に戸惑ったPCユーザーもいましましたが、携帯電話を自分好みで、自分が最も使いやすいかたちにカスタマイズできるようになったのがこの時代。ほんの少し前までは、がんばって4和音とかをテンキー入力でつくっていた着メロが、はるかにグレードの高い音質でダウンロードできるようにもなったし、ディスプレイに表示するための画像もネットからどんどん落とせるようになりました。

それだけではなく、天気予報に電車の乗り継ぎ、ネットバンキングまで、つねに持ち歩いているデバイスだからこそ役に立つ、さまざまな「携帯電話専用ウェブサイト」も生まれました。途中まで調子よく楽しく見ていたウェブサイトが、「ここから先に行くなら課金せよ!」みたいなサービスが始まったのもこの頃でした。

なにかにつけて「IT」「デジタル」みたいな単語が世の中に跋扈しはじめ、ペットがIT化し、犬型エンタテインメントロボットが人気を集めたり、端末のディスプレイのなかだけで存在する液晶画面の中の小動物たちが人気を集めたり、携帯電話にかぎらず、身近な話題に変革が訪れたのもこの頃の特徴でした。

あ、そうそう携帯電話の番号が、11桁になったのもここからでしたね。

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おもいでタイムライン

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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法人向け新モデル登場。MWC16に見るKDDI関連トピック

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モバイル通信業界で世界最大規模のイベント「Mobile World Congress 2016」(MWC16)が、3月22日〜25日の4日間、スペインのバルセロナで開催された。スマートフォンなどの端末の新製品から、各種のソリューション、次世代のネットワークインフラを支える新技術まで、多くの講演や展示から今後のモバイル通信を見通すことができるイベントだ。

MWC16のHPブース。中央にContinuum機能をアピールする「HP Elite x3」を展示し、多くの来場者が使い勝手を試していた

KDDIに関連する製品や技術も会場内で複数見られた。端末では、法人向けに国内で発売する2機種を出展。HP(ヒューレット・パッカード)の高性能Windows 10 Mobileスマートフォン「HP Elite x3」と、パナソニックの堅牢スマートフォン「TOUGHPAD FZ-N1」である。

「出先でスマホ、会社でパソコン」を1台で実現

HPのブースでは、Windows 10 Mobileスマートフォンの新製品「HP Elite x3」を中心にした展示が行われていた。

6インチの大型ディスプレイを搭載した高性能Windows 10Mobileスマートフォンは、MWC会場で開催された複数のアワードを獲得した

HP Elite x3は、国内でも製品数が増えるWindows 10 Mobileスマートフォンのなかで、最高性能を誇るスマートフォンだ。

プロセッサには、クアルコムの上位モデルであるQualcomm Snapdragon 820を採用。6インチの大画面ディスプレイに4GBのROM、64GBのRAMを搭載するという豪華なスペックを誇る。さらに、ビジネスでの新しい利用形態として期待される、Windows 10の「Continuum (コンティニュアム) 機能」に対応することで注目されている。

Continuum機能とは、スマートフォンにキーボードやマウス、ディスプレイを接続することで、パソコンと同等の使い勝手を提供する機能だ。「HP Elite x3」は、有線接続によるContinuumをサポートしていることが特徴。これにより、ディスプレイなどと接続したオプションのクレードルに「HP Elite x3」を載せるだけで、すぐにデスクトップパソコンのように利用できるほか、無線接続によりContinuum機能が不安定になるリスクを防げるのだ。

Salesforceを利用していた「HP Elite x3」をクレードルに挿すことで、外付けディスプレイにSalesforceの画面が表示されるContinuumのデモ

HPのブースやマイクロソフトのブースでは、「HP Elite x3」によるContinuum機能のデモンストレーションが行われ、多くの来場者がその使い勝手を確認していた。「HP Elite x3」でSalesforceのサービスを利用しているシーンのデモンストレーションも、同ブースで開催。外出先でも、オフィスに戻ってからでも、1台の「HP Elite x3」を使ってシームレスにビジネスの作業が行える利便性、管理するデバイスが1人につき、1台で済むことによるコスト削減などのメリットを示していた。

ハードウエアとしても、ビジネスでの使い勝手を高めた設計になっている。au VoLTEによる高音質でスムーズな接続ができる音声通話機能、auのサービスで受信時最大225Mbpsの高速通信ができるキャリアアグリゲーション(CA)への対応と通信まわりの性能を高めた。さらに防水、防塵、耐衝撃性能を備え、さまざまなビジネスシーンでの利用への配慮も行き届いている。KDDIは、アジアでは唯一の「HP Elite x3」のキーパートナーとして、日本やオーストラリアでのソリューションの提供を推進する。

小型軽量化を進めた堅牢ボディーの「現場対応スマホ」

堅牢スマートフォン、タブレットの「TOUGHPAD」シリーズ、各種のIoTソリューションや技術を並べたパナソニックのブース

パナソニックがMWC16で発表した法人向け堅牢スマートフォン「TOUGHPAD FZ-N1」も、KDDIが国内で取り扱いを発表した製品である。

KDDIが2014年から取り扱っている「TOUGHPAD」シリーズの新製品で、防塵・防滴/防水、耐落下、衝撃性能といった堅牢さはそのままに、小型軽量化を進めるなどして使い勝手を大幅に向上させた。

パナソニックのブースには、Android版とWindows 10 Mobile版の2種類のTOUGHPAD 新製品が展示されていた。KDDIが取り扱うのはそのうちのAndroid版の「TOUGHPAD FZ-N1」となる。ブースでは、従来製品の約450gと比べて、大幅な軽量化を果たした275g(KDDI取り扱いモデル)の薄型ボディーをアピール。ディスプレイは5インチから4.7インチへとひと回り小さくなるものの、片手にフィットする大きさと重さがビジネスで快適に利用できることを示した。

斜め下にバーコードリーダーの読み取り光を照射する「TOUGHPAD FZ-N1」。画面とバーコードを同時に確認しながら自然に操作ができる

「TOUGHPAD FZ-N1」のもうひとつのポイントは、物流・配送のピッキング作業や流通・小売の在庫確認・棚卸しなど多くの業務で利用するバーコードリーダーの照射角度を調整したこと。従来製品では、本体の上面にバーコードリーダーが設置され、読み取り光は上部に向けて照射する形状だったが、「TOUGHPAD FZ-N1」は角度を付けて斜め下を照射するように変更した。上面にバーコードリーダーが配置されている従来製品では、対象となるバーコードを読み取りながら画面を確認することが難しかった。バーコードと画面を同時に見られるようにして欲しいというユーザーからの声を反映した改善点で、これによりバーコードの読み取りが楽に行えるようになったのだ。

従来機種との厚さの比較。軽く、薄くなったことで使いやすさが格段に向上したという。写真はWindowsモデル

4.7インチのディスプレイを搭載し、各種の現場での仕事をサポートする「TOUGHPAD FZ-N1」

「TOUGHPAD FZ-N1」もau VoLTEに対応。3マイクとノイズサプレッサーにより騒音を抑えた通話ができるほか、大音量のツインスピーカーで様々な業務の現場でのコミュニケーションをスムーズに行える。従来製品との比較で性能が抑えられているのは、画面サイズと使用環境条件程度。従来製品は、-20度~60度での利用が可能なのに対して、「TOUGHPAD FZ-N1」は-10度~50度となる。「ロシアなどの極寒のところでは、従来製品を今後もお勧めする」という説明員からのコメントからも、グローバル感が伝わるような展示会となった。

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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【TSミライ部 第1回】ウエアラブルが人のココロを読む未来

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腕時計型携帯端末「Apple Watch」や、センサー搭載メガネ「JINS MEME」といったウエアラブルガジェットが登場した2015年は、「ウエアラブル元年」ともいえる年だった。これまでもSFの世界で描かれてきたコンピューターを身にまとって暮らす未来が、ついに実現するのだろうか?

ITや通信のミライを占うこの連載。第1回は、15年間にわたりメガネ型ディスプレイを装着して生活している「ウエアラブルの伝道師」、神戸大学教授の塚本昌彦さんに聞いた”ウエアラブルの未来“をお送りする。

ウエアラブルは、街の景色を一変させる

携帯情報端末がスマートフォンからスマートグラスへと変わった時代。スマートグラスを装着すると、SNSやグルメ情報、地図、交通案内……私たちがスマホを使って得ている情報は、すべて現実の上に表示されるようになる?

20XX年。街には看板や広告もなく、すっきりとした美しい景色が広がっている。道行く人たちは、それぞれ好みにあったスマートグラスを着けている。散歩中、お腹がすいたなと思うと、スマートグラス越しにカレー屋さんの画像とメニューが浮かび上がり、道路に道順が表示される。この先の角を右に曲がった路地にある、先月オープンした人気店とのことだ。あ、メニューには好物のスープカレーもある。ちょうど、今カレーを食べたいと思ったんだ――。

こんな世界も夢物語ではないかもしれない。神戸大学の塚本昌彦教授は、「近い将来、誰もがウエアラブルデバイスを身に着けるようになれば、情報入手の方法が激変する」と語る。わざわざスマホを取り出してお店を検索する必要はない。街を歩いているときに空腹を感じた瞬間にレストランの看板がポップアップしたり、目に入る建物を凝視するとクローズアップして表示されたり――。必要な情報は、必要なときに、目の前の景色に重ねて表示されるのだ。

塚本昌彦(つかもと・まさひこ)/神戸大学大学院工学研究科教授、特定非営利活動法人ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事長、特定非営利法人日本ウェアラブルデバイスユーザー会会長。2001年よりヘッドマウントディスプレイとウエアラブルコンピューターを装着して生活し、数々の未来予測を行う”ウエアラブルの伝道者”

「スマートグラスは目の前のリアルな世界を見ながら、その景色に情報を重ねて表示させることができます。実はこれが、画面を注視しないといけないスマホやパソコンとは根本的に違うところであり、単なる小型化にとどまらないウエアラブルの新しさでもあるんです」

私たちがディスプレイに表示されたVR(ヴァーチャル・リアリティ/仮想現実)に入っていくのがスマホやパソコンだとすれば、スマートグラスはリアルな世界を拡張するもの。いわゆるAR(オーギュメンテッド・リアリティ/拡張現実)の技術と組み合わさったときに、スマートグラスはその真価を発揮する。

「それに、ウエアラブルはスマートグラスだけではありません。時計や服、靴やベルト……私たちが普段身に着けているものには、すべてICTが入り込む余地があります。例えば、下着で心拍を測り、ベルトのバックルで内臓の状態を日常的に健診する。そんな技術とデバイスが普及したとき、今のようにキーボードやフリック入力で文字を打ち込むような操作法は、時代遅れになっているはずですよ」

思っただけで欲しい情報が手に入る!?

ここ数年で、Siriなどの音声入力の精度は飛躍的に高まり、実用レベルになっている。しかし、それもキーボードによる文字入力を、音声で代替しているにすぎない。塚本教授の頭の中には、もっと進化したコンピューターのイメージがある。

「今年から来年にかけては、身振りや視線などによって操作するデバイスが出てくるでしょう。コンピューターが提示する選択肢を、視線を動かしたり首を振ったりするジェスチャーで選ぶという入力が主流になり、最終的には人がコンピューターに何かを入力するということ自体が、ほとんど必要なくなります。それを実現するカギになるのが、“センシング”と”AI(人工知能)”の進化です」

メガネや時計、衣服、靴……人が普段身にまとっているすべてのものに、センサーやコンピューターが搭載される可能性がある。”足の臭いを測るウエアラブルシューズ”なんてものまで登場するかも?

センシングとは、センサーを使ってある状態を計測することだ。脈拍や血圧などカラダの状態を計測する生体センシングや、位置情報や高度などを計測する環境センシングがある。

例えば、Apple Watchは心拍数が分かるし、iPhoneなどのスマホには傾きや加速度センサーが搭載されている。また、血糖値を測るコンタクトレンズの特許をGoogleが取得したことが最近話題になった。

「ウエアラブルコンピューターが、これらのセンシングによって得た情報を蓄積し、より高性能なAIを使って分析すれば、私たちが、今どこで何をしていて、何を望み、これから何をするのかといったことを、かなりの精度で予測できるようになります
例えば、Aさんはイライラしているときにスイーツを食べる。Bさんはランニングした後にビールを飲む。過去の行動履歴からこういったことを導き出して、ベストなタイミングで情報を提示することもできるようになるんです」

ウエアラブルは、人をアクティブに変える技術

なるほど。便利といえば便利だけど、考えようによっては空恐ろしくもある話だ。より詳細な生体センシングによって、本人も自覚していないような行動パターンをコンピューターが把握するようになったら……私たちの行動や意思決定を左右することなんて、簡単にできるんじゃないだろうか?

「もちろん、そういった危険はあるでしょうね。でも、私はわりと楽観的に考えているんです。どんな技術にもいい面、悪い面がありますし、コンピューターに任せられることはコンピューターに任せるようにした方が、人間の余暇は増えます。むしろ、人にしかできないことが何なのかをあらためて考え、より創造的で、より健康的な活動に立ち戻る時代がやってくるんじゃないでしょうか」

ウエアラブルコンピューターが人間の能力を拡張する未来に、人はどんな余暇を過ごすのだろうか? 塚本教授の見立てでは、人は今よりずっと外に出るようになるという。固定されたディスプレイや面倒な入力から解放されるウエアラブルは、ネットの中ではなく、目の前の現実を楽しくするものだからだ。

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塚本昌彦(つかもとまさひこ)HP

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ボタンひとつで自動立ち上げと自動折りたたみができるベビーカー「Origami」

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赤ちゃんを片手に抱えてバスや電車を乗り降りするとき、自動的に立ち上がり、自動で折り畳めるベビーカーがあれば……と思うお母さんは多いだろう。ボタンを押すだけで、素早く立ち上がるストローラー(ベビーカー)、その名も「Origami(オリガミ)」が、そんな願いを実現した。

ワンタッチで展開・折りたためる超頼れるベビーカー

4momsというペンシルバニア州のハイテク・ベビーギア専門のスタートアップ企業が開発したこのストローラーの価格は、849ドル99セント。まさにベビーカー界のポルシェともいうべき値段だが、機能の多さは高級車並みだ。

まず、大きく目立つ黄色いボタンがハンドル部分についており、これを押すだけでモーターが起動し、折りたたまれている本体が立ち上がる。実際にボタンを押してみると、あっという間に完全に立ち上がり、途中、手で補助したり、安全ロックをかけたりする必要が一切ない。音も静かで周囲に迷惑がかからない。

ハンドル部分中央には、まるで車のナビ画面のようなLCD(液晶ディスプレイ)ダッシュボードがついており、スピード、温度、走行距離、そしてバッテリー消費量が表示される。赤ちゃんから最高18kgの重さの子供まで乗せることができ、子供が乗っているあいだはセンサーが体重を感知して「赤ちゃん顔」のアイコンがダッシュボードに表示される。もし子供を乗せているあいだに、誤って折りたたみボタンを押してしまっても、センサーが働き、作動しないようになっているのだ。

車輪内蔵の発電機で、移動中にスマホを充電!?

4つの車輪のうち、後ろの2つの車輪にはジェネレーターが内蔵されており、ストローラーを押して散歩するだけで、そのエネルギーを利用して発電できる。また、別売りアダプターを使えば、スマホや携帯をストローラーにつないで充電できるのも便利。カップホルダーにスマホを入れている人も多い。

「赤ちゃんと一緒に散歩するだけで、スマホもチャージできてしまうので一石二鳥だし、エネルギーを自家発電できるのが単純に楽しい。電源がない屋外でスマホが電池切れになり、慌てた経験がある人にとっては、非常に助かる機能でしょう」と、同社の宣伝担当は言う。ストローラー本体を素早くフルチャージしたいときは、2週間に1回のペースでACアダプターで電源につないで、一晩充電すればOKだという。

車輪を支える太いアームの上の部分のLEDライトが昼間でも自動的に光り、対向車や歩行者からよく見えるようになっている。また、夜間など周囲が暗くなると、ストローラーの下の部分に配置されたライトが自動的にオンになり、道を照らす。このライトはかなり珍しいので、ユーザーは歩行者から声をかけられることも多いようだ。

「ロボット工学で母親を助ける企業」としてスタート

同社製品にはOrigamiのほかにも、赤ちゃん用のスイングシート「mamaRoo」(240ドル)などがある。mamaRooは、人間の親が抱いてあやすように、単にひとつの動きではなく、波の動きのように揺らしたり、横にスイングさせたたり、円を描くように動いたりするなど、5種類の動きで赤ちゃんをあやし、退屈させない仕組みだ。シートが動くスピードや動きの種類は、アプリでコントロールすることができる。

ちなみに、4moms は友人である2人の男性が立ち上げたスタートアップだ。創業者の1人はロボット工学の専門家で、ロボット工学で「母親を助ける企業」としてスタートした。今後も工学の世界から、いつも育児や家事で忙しいお母さんのどんなお助け役が登場するのか、期待したい。

関連リンク

4moms

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騒音だけなぜ消える? 「ノイズキャンセリング」の仕組みとは

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消えます、本当です

最近はオーディオ用のヘッドホンだけでなく、スマホ用のイヤホンにも搭載されているノイズキャンセリング機能。飛行機や電車の中でも、周囲の騒音を消して、音楽だけが聴こえるようにしてくれるというものだが、「本当に騒音だけ消えるの?」といぶかる方も多いだろう。ノイズキャンセリングのヘッドホンとイヤホンを愛用している筆者が断言します、本当です。

au Xperia(TM) Z5 SOV32対応の「ノイズキャンセリング機能搭載ハイレゾ・オーディオ対応ヘッドセット MDR-NC750」

ノイズキャンセリング技術の開発にいち早く取り組んできたBOSEの「QC25」

飛行機の中はジェットエンジン音が大きく、ヘッドホンで音楽を聴いていると「ゴー」という音が絶えず入ってくる。ところが、ノイズキャンセリングのヘッドホンだと、その「ゴー」の音が「サー」というまでに見事に小さくなる。あるいはカフェなどで仕事をするときに、このノイズキャンセリングのヘッドホンをオンにして、音楽をかけずにいれば、耳せんをしたみたいにカフェ内の喧噪が嘘のように聞こえなくなり、仕事に集中できる。実際、この騒音を聞こえなくすることに特化した、その名もズバリ、「デジタル耳せん」という製品も発売されている。それにしても、いったいどんなマジックを使っているんだろうか。

キングジムの「デジタル耳せん」。製品紹介のWEBサイトには、ノイズキャンセリング効果が確かめられる音声データが掲載されている
http://www.kingjim.co.jp/sp/mm1000/

プラス1+マイナス1=0

まず基本の原理だ。音は音波。ここはシンプルな波形のうねりをイメージしてもらおう。この音波に対して、形がそのまま正反対の音波(逆位相という)をぶつける。すると、2つの音波は打ち消しあって消滅する。プラス1とマイナス1を足すとゼロになるようなもの。下の図1を見てもらうとわかりやすいかと思う。つまり、騒音の音波に対して、逆位相の音波を重ね合わせることで、騒音の音波を消してしまうというわけだ。

では、ヘッドホン内部では、それをどうやって実現しているのだろうか。下図2を見てほしい。これはノイズキャンセリング(正確にはデジタルノイズキャンセリング)機能の概念図だ。ノイズキャンセリングのヘッドホンやイヤホンの内部には、実は小さなマイクがついている。このマイクで周囲の騒音が混じったヘッドホン内部の音(信号A)を拾い、その音がデジタル信号になってDSP(デジタルシグナルプロセッサ)というヘッドホンの回路に送られる。

一方、音楽(信号B)もデジタル信号としてこのDSPに送られる。次にこのDSP内で騒音の混じった信号Aと音楽の信号Bが比べられるのだが、音楽再生中は信号Aには音楽の音も混じっている。そこで、信号A(騒音+音楽)から信号B(音楽)を引く。すると騒音だけの信号Cが取り出されることになる。この信号Cの逆位相、つまり正反対のかたちをした音波をつくり出し、それと信号Bを重ねた信号Dを再生させるのである。

車内騒音だって消してしまえる

あえて単純に言い直せば、マイクでキャッチした騒音から、それを打ち消す音をつくり出し、その音を音楽の音と一緒にヘッドホンで流していると考えればよい。そうすれば騒音だけが打ち消され、音楽は消されずに聞こえるというわけだ。おわかりいただけただろうか。

このノイズキャンセリングの技術は、ヘッドホンやイヤホン以外のさまざまなところで使われている。たとえば、吸排気音がうるさいダクトの騒音低減にも、このノイズキャンセリングの技術は使われている。この場合は、騒音の逆位相の音をスピーカーから出して打ち消すのだ。まだ実用化は進んでいないが、鉄道やクルマの車内騒音を、このノイズキャンセリング技術を使って低減しようという動きもある。残念ながら、上司の小言や、誰かさんのイビキだけを消してくれる技術はまだないが……。

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【ネット系女子!】中高生に人気の秘密は”ラブラブなブログ”にヒントあり!? シンガーソングライター井上苑子さん

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ネットを騒がせている女性をご紹介する「ネット系女子!」。連載第2回目は、中高生を中心に人気を集めるシンガーソングライター、井上苑子さん(18歳)。この春、高校を卒業したばかりだ。

スマホで簡単に生中継ができ、若年層を中心に1,000万人以上のユーザーが登録している映像配信サービス「ツイキャスで注目を集め、視聴者が200万人を突破。2015年7月にリリースしたメジャーデビューミニアルバム「#17」のリード曲「大切な君へ」がLINE MUSICで250万再生、YouTubeでも400万再生を突破。

デジタルネイティブの若年世代にとって、インターネット、SNSの口コミがヒットの新しい要素へと移り変わっているなか、井上さんが中高生に人気を集めている理由のひとつが、恋する女の子の切ない恋心を切り取った等身大の歌詞。5歳から携帯電話を使い、小6でスマホを使いこなす、まさにデジタルネイティブである彼女は、ネットを通じ、同世代の共感を歌詞に変え、SNSを使い直接ファンと交流し、創作ヒントをさぐる、といったまったく新しいタイプのシンガーソングライターでもある。そんな彼女の創作の秘密に迫ってみました。

ファンが望んでいる「わかるわ〜」が自分の曲づくりのポイント

定額制音楽配信サービス「KKBOX」および「うたパス」で行われている、アーティストと一緒に音楽を聴きながらチャットを楽しむオンラインイベント「Listen with※」で、マンスリーイベントのレギュラーDJに抜擢された井上さん。イベント収録前に取材に伺うと、元気な挨拶で出迎えてくれた。

――「ツイキャス」では視聴者200万人! すごい注目を集めましたが、始めたきっかけは何だったんですか?

「私が高校に入学したとき、友人たちの間でちょうどツイキャスが流行っていて。自分と同世代の子たちが自由に動画を配信しているのを見て、単純に面白そうだったので始めました(笑)。最初はただ喋るだけだったんですけど、配信を見ている人からこんな曲を歌ってほしいってリクエストが来て、じゃあ、歌ってみようかなって。それから徐々に見ている人が増えて、2015年にメジャーデビューをした頃には200万人を超えていました」

――どんな曲がリクエストされるんですか?

「いま流行りの曲が多いですね。あと、芸人さんの歌ネタを振られるときもあります。ちょっと大変なんですけど(笑)。テンション高いときはアカペラでやったりします」

――ツイキャスを始めたことで、自分の歌に何か影響はありましたか?

「ありますね。リクエストで初めて知った曲はあとで聞いたりしています。いま流行っているのはこんな曲なんだ、何がいいのかなって自分で分析するようになりました。私の配信を見ている人は高校生が多いんですけど、みんな自分自身と重ねられる歌詞が好きなんです。『なんか、わかるわ〜』っていう部分。私が曲を書くときも、そこをあえて意識して入れています」

――井上さんご自身の経験から生まれたわけではないんですね。

「全然違います(笑)。リアルな恋愛っていうのもいいんですけど、私はちょっとありそうでなさそうな、少女漫画のような世界観の恋愛ソングが書きたいんです。作詞するときは、参考のために少女漫画や携帯小説を読みます。あと、すごくラブラブなカップルのブログをチェックしたり……」

――えっ? どんなブログですか?

「ひたすらカップルののろけが書いてあるブログです。『デコログ』っていうブログサービスに多いんですけど。本当に幸せそうで、読んでてキュンキュンするんですよ」

――自分もこんな恋をしたいな、とか?

「思いますね! でも、いまはちょっといいかな(笑)」

――井上さんはSNSを通してファンと積極的に交流していますね。

SNSは、自分のことを自由に発信できる貴重な場所だと思っています。よくSNSで自分の名前を検索するんですけど、褒めていただいているのを見ると自信になりますしね」

――SNSでは、プライベートと仕事で気持ちの切り替えをしていますか?

「基本的にどちらも素のままで行動しているので、気持ちはあまり変わらないです。でも、SNSを使うときはちょっと違うかな。今の子って、アーティストを調べるとき、まずSNSを見ることが多いですよね。HPを見る概念があんまりない。だから、SNSで仕事のお知らせをするときはきちんとしなきゃって思います。フォロワーが少なかった以前より、誤字脱字にも気をつけるようになりました。最近は、投稿する前に読み返して清書するようにしています」

常に歌が身近にあった幼少期

――シンガーソングライターとして活動を始めたきっかけはなんですか?

「小さい頃から歌が身近にある環境で育ってきた影響もあり、歌が大好きな子どもとして育ちました。小学校5年生のときに、母がボイストレーニングに通わせてくれたことをきっかけに、本格的に歌を歌うことを始めたんです」

――3歳からBon Joviを歌っていたそうですね!

「母がBon Joviをすごく好きで、ずっと家で流れていたので、聴いたまま歌っていました。いまもその時に覚えた空耳の英語のまま歌っているので、絶対間違えていると思います(笑)」

――路上ライブを始めたいきさつは?

「もともと人前で歌うことがすごく好きだったんです。もっといろんな人に自分の歌を聴いてもらいたいと思っていたとき、路上ライブをやっている人を見かけたんです。これだったら私もできると思って始めました」

カメラアプリは女子の必須アイテム!?

カテゴリごとにきちんとフォルダ分けさた井上さんのスマホのホーム画面。カメラアプリは、紹介していただいた『カメラ360』や『B612』に加え、写真のコラージュができる『InstaSize』など、多彩なアプリを使いこなしているよう。体重管理アプリ『Sinple Diet』と壁紙から、年頃の女の子らしい悩みもちらり

――いつも友人とはどんなことをして遊んでますか?

「カラオケとか……。あと、『MSQRD』と、『Snapchat』っていうカメラアプリで遊んだりしてます。『MSQRD』は顔認証を使って顔にフィルターをかけたり、目からビームが出たりする動画や写真が撮れるんです。『Snapchat』は人と人の顔を入れ替えられます。お昼休みとか、もう爆笑って感じです」

――アプリを使って写真を撮っているんですね。

普通のカメラじゃ撮らないですね。人に撮ってもらうときとか、内カメで自撮りをするときは『B612』とか、『カメラ360』とか、肌がきれいに写るアプリを使ってます。特に『カメラ360』は全体にフィルターがかかるので、色とかいい感じになるんですよ」

――そんなアプリ使わなくても十分きれいですよ!

「いやいや、そんなことないです(笑)」

5歳から携帯を使っていると話す井上さん。スマホは小6からとか。「実は5歳からずっとauなんです!」

SNSを通して素の自分を知ってもらいたい!

――最近はどんな生活をされていますか?

「4月から大学生になったので『やべ、大学行かなきゃ』って感じです。仕事がある日は、メイクや髪のセットに2時間かけて、朝ご飯も食べずに仕事へ行きます。夜、家に帰った後は、長い時で2時間、お風呂にスマホを持ち込んでブログや歌詞を書いたりしています。お風呂は無音状態で誰もいないので、いちばん集中できるんです」

――大学生になって、音楽に対する考え方に変化はありましたか?

「これまでよりさらにいろんな人に音楽を届けたいと思うようになりました。だから、本をたくさん読んでボキャブラリーを増やして、年齢を問わず心に響くような歌詞が書けるようなミュージシャンになりたいです」

――最後に、今後ネットを活用してやってみたいことを教えて下さい。

「世の中に出回っている自分の写真が真面目風なので、あまり喋るタイプじゃないと思われているようなんです……。でも、ライブに来る人からは『こんなに喋るんだ!』って驚かれることも多くて。だから、SNSや今回始まる『Listen with』を通してファンの皆さんにもっと素の私の性格や生活を知ってもらって、少しでも私との距離を近く感じてもらえたら嬉しいかなって」

常にニコニコと楽しそうにお話ししてくれた井上さん。同年代の女の子から圧倒的な支持を受ける彼女のつくる「わかるわ〜」世界を、是非一度体験してみてはいかがでしょうか?

3月にリリースされた井上さんの「君に出会えてよかった」は今春、KKBOXのテレビCMに起用され話題を呼んだ

Listen withとは

ユーザーがアーティストと同じ音楽、プレイリストを聴きながら、そのアーティストとリアルタイムでチャットができるコミュニケーション機能。定額制音楽配信サービス「KKBOX」および「うたパス」で展開されている。井上苑子Listen withレギュラープログラムは5月9日(月)に開催予定。

詳細はこちら http://kkbox.fm/D13yK9

井上苑子(いのうえ・そのこ)

1997年生まれ。3歳の時に、生まれて初めて口ずさんだ曲はBon Joviの「It’s My Life」。11歳から大阪の心斎橋で路上ライブを始め、手売りでCDを1万枚売って上京。その後、2015年に大型夏フェス、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015に出演したほか、同年9月には主演映画「私たちのハァハァ」が公開。特技はギター・空手(黒帯)・水泳・ピアノ・ダンス。1stアルバム「Hello」が好評発売中。6月29日にはニューシングルのリリースも決定している。

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井上苑子
Listen with
KKBOX

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「セットトップボックス」でフツーのテレビがスマートテレビに変身

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かつてそれはテレビの上に置く箱だった……

セットトップボックス(Set Top Box。頭文字をとってSTBともいわれることも)といえば、テレビがブラウン管だった時代にはケーブルテレビや衛星放送のチューナーなどのことを指していた。「テレビセットの上(トップ)に置く箱」だからセットトップボックスなのだ。

ところが、今やテレビは液晶の時代。上には何も置けません。セットトップボックスの意味もずいぶんと広がり、テレビとインターネットやPC、スマホなどをつなぎ、テレビにさまざまな機能を付け加えるデバイスを指して使われることのほうが多くなった。Apple TVやグーグルのNexus Playerがそれだ。auからもビデオパスがテレビ画面で楽しめるSmart TV Stickが発売されている。これらをチューナー系のセットトップボックス(ホームターミナルともいわれていた)と区別するために、ここでは新世代セットトップボックスと呼ぼう。

Apple TVは新世代セットトップボックスの草分け的存在

Apple TVの映画のメニュー画面

KDDIのSmart TV Stickではビデオパスなどが利用できる

ゲームだってできる新世代セットトップボックス

新世代セットトップボックスは、いずれも手のひらに乗るサイズのボックス型で、家庭内LAN(Wi−Fi)からインターネットに接続する。テレビにはHDMI端子でつなぐ。Amazonの「Fire TV Stick」などは、USBメモリーのように、本体にHDMI端子が付いていてテレビに直接突き刺すスタイルだ。それだけ小型化されているのだ。

いったい何ができるのかというと、どの機種もおおよそ次のような機能を搭載している。

□インターネット経由で、Netflixやビデオパスなどのオンデマンドビデオサービスが利用できる(機種によっては利用できないサービスもあるので注意)。もちろんYouTubeも。

□スマホのミラーリングができるので、スマホで撮った写真や動画などをテレビの大画面で楽しめる。

□ゲームが楽しめる。Apple TVではApp Storeからゲームを入手、ほかの機種ではGoogle PlayなどからAndroid向けゲームアプリを入手する。Nexus Playerには専用のゲームパッドまである。

□音楽だってOKだ。例えば、Apple TVでは、iTunesのライブラリーの音楽をテレビで聴けるし、Fire TV StickなどAmazonのセットトップボックスは、Amazonミュージックライブラリの音楽が楽しめる。

□もちろん映画も。Apple TVはiTunes Storeから映画をレンタルできるし、ほかの機種はAndroid Osを内蔵しているので、アプリを利用してAmazonビデオストアからのレンタルなどが可能だ。また、ほとんどの機種ではリモコンが音声認識してくれるので、映画や音楽のタイトルを声に出すだけで検索して再生してくれるなど、まさにカウチポテト的安逸が味わえるのだ。

グーグルのNexus PlayerはAndroid端末とコンテンツが同期できる

USBメモリーのような形をしたAmazonのFire TV Stick

チューナー系も負けてはいない

ケーブルテレビと接続するためのチューナー系セットトップボックスも負けちゃいない。どんどん機能が進化し、最近ではハードディスク内蔵で録画ができるのは当たり前。J:COMの「SMART J:COM Box」などはAndroid OSを内蔵、TV関連アプリをインストールすれば、インターネット経由でオンデマンドビデオサービスを利用できるなど、新世代セットトップボックスと変わらない。

いわば、既存のテレビを「スマートテレビ」に変えてくれるのが、この新世代セットトップボックスだ。さらに言えば、「スマートテレビ」とはこの新世代セットトップボックスを最初から内蔵したテレビということになる。ホームエンタテインメントの主役の座を、リビングルームのテレビが再び取り戻すための切り札が、このセットトップボックスなのかもしれない。

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【イベントレポ】デジモノ系バイヤーが、カメラと映像の祭典に潜入。「デジモノ×スマホ」の進化がスゴかった!

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“カメラと写真映像のワールドプレミアショー”ということで、2月にパシフィコ横浜で行われた「CP+(シーピープラス)」。

こちら、高級デジカメからアイディア系の自撮り棒まで、映像に関わる様々な商品がメーカーの大小に関わらず一堂に集まるという、デジモノ好きにはたまらないイベントです。最近のカメラは、Wi-Fi通信機能やスマホアプリとの連携なども進化していて、「TIME & SPACE」のテーマである”通信”にも深くかかわっているんですよね。

今回は、「OneMe Store」というデジ系ガジェットをメインとしたECサイトのバイヤーである僕、コバスチャンこと小林が、面白い商品に出会えたら即商談! の覚悟で参加してきました。その様子をレポートします。ではさっそく突入してみましょう。

朝からまさかの長蛇の列……日本人のカメラ愛!

朝10時開場の所、9時半にパシフィコ横浜に到着してみたら、なんとご覧の通りの大行列! 職業柄、これまで様々な国内外のイベントや展示会を訪れていますが、入場時にここまで長蛇の列になっているのを見たことがなかったです。

しかも、さすがカメラと映像のイベントだけあって、みなさん、カメラは標準装備。ここは戦場か? っていうくらい、ごっつい望遠レンズの一眼レフを提げてパシャパシャと撮りまくっていたりと、気合いが違います。

会場に入ってみると、ニコンやキヤノン、ソニーなどの有名メーカーのブースが目を引きました。

目当てのブースに並ぶカメラファンたち。遊園地のアトラクションのように、30分~1時間待ちの行列ができています

スマホと連動して「なにこれスゲー!」な映像体験ができるニコンのアクションカム

まずは僕が今回注目していたアクションカムを見ていきましょう。

アクションカムとは、動画用のカメラをまぁとにかく小型化して、頭の上などに装着することで、「プレイヤー視点」で撮影することができるようになったという、画期的なガジェットであります。特にスノー&スケートボード、サーフィンといったエクストリーム系のスポーツとの相性が大変よろしく、YouTubeなどを覗いてみると、どえらい数の動画が上がってますよね。プレイヤーしか知らなかった世界を見られるわけですから、いい時代になったものです。

さて、アメリカの「GoPro」から始まったこのアクションカムブーム。国内メーカーを刺激したようで、各社から続々と新製品が発表されていました。コバスチャン的に気になっていたのが、ニコンが満を持して発表した、全天球(360度)撮影ができるアクションカム「KeyMission 360」。

ニコン初となるウエアラブルアクションカム。カメラの前後に搭載されたレンズで360°全方位を、4K画質で録画可能。耐衝撃・防塵はもちろん、水深30mまで撮影可能な防水性も備えている

コレなにがすごいって、GoProさえもまだカバーしきれていない360度撮影が可能なんです。しかも4K画質。去年、YouTubeに「360度パノラマ動画」再生機能が追加され、ビヨークをはじめとして様々なミュージシャンがこの機能で再生できるプロモビデオを発表して話題になりましたけど、もちろんこちらでの再生も可能です。

スマホで再生すれば、スマホそのものを上下左右に動かすことで、再生中に動画の好きな方向を見ることができて「ウホすげー!」になります。ぜひ初体験のお知り合いに見せてあげましょう。ちなみにPCでもカーソルをドラッグしてグリグリ動かすことで同じことができますけど、ここはぜひスマホでお試しいただきたいものです。(※モバイル端末で360 度動画を視聴するには、最新バージョンの Android または iOS 向け YouTube アプリが、パソコンの場合はChrome、Opera、Firefox、Internet Explorerいずれかの最新バージョンが必要です)

・その①

・その②

ニコンが発表している「KeyMission 360」のサンプルムービーがこちら。画質のすごさはもとより、「360度パノラマ機能」での再生がおもしろい。ぜひスマホでご覧ください

サーフィンとかマウンテンバイクの撮影も面白そうですけど、個人的にはぜひドローンに乗っけて撮影してみてほしいですねー。あ、あと宇宙ステーションに設置してもらったりしたらとんでもない映像体験ができるんじゃないですかね! 発売間近ということですが、夢は広がる一方です。

カシオやソニー、リコーもアクションカムをアップデート!

カシオからは、トレッキングやサイクリングなどのアウトドア利用を想定したフリースタイルカメラ「EX-FR100」。カメラとディスプレイを切り離すことができ、通信機能を利用し、遠隔で操作できるウエアラブルカメラとして使えるというものです。

カシオは、独自のスタイルがあって好きなメーカーのひとつなんですが、なんといっても時計メーカーですよね。このカメラのいいところは、Android Wear搭載のスマートウォッチWSD-F10」と連携させられること。 カメラの映像をライブビューで手元の時計に表示したり、時計をリモートコントローラーとして使ったりできるんです。

プロモーションムービーも釣りやスノボ、サイクリングなどアウトドア推し。部屋のなかで臨場感のある映像を観ているだけで満足しちゃいそうです

山登りやスポーツ好きな方にはもちろん、通常の街使用でも充分カッコイデザインなので、Android使いだったら間違いなく買いです。ただ、iOSデバイスでは機能が制限されてしまうので注意が必要です。

分離型アウトドアカメラ「EX-FR100」。カメラ部分とモニター部分が分離でき、PRO TREK系のスマートウォッチ「WSD-F10」と連携してライブビューで動画が確認できる

ほかにソニーやリコーもアクションカムを展示。ソニーのアクションカメラのエントリーモデル「HDR-AS50」は、ブレに強いアクションカムを前面にアピール。上位機種と同様の手ブレ補正能力を持ち、自転車やバイクなどの細かな振動もカットできるとか。

・ソニーHDR-AS50

腕時計型のモニターだけでなく、スマホでもリモートコントロールが可能。個人的には、この四角い腕時計型モニターがソニーっぽくて好き

・リコーTHETA S

2013年の発売から進化を続ける360°全天球カメラ。今年3月末にはファームウェアとスマホアプリがアップデートされ、セルフタイマー撮影やライブストリーミングが可能に

謎の大陸系スマホガジェットもアツイ!

……と、目星をつけていたブースをあらかた回ったあとに見つけたのが、会場の端のほうに集まった、一見怪しい小規模ブースの群れ。たとえば、こんなブースがありました。

なんとこちらは、自撮り棒の柄の部分に折りたたみ傘を合体させた、中国発の画期的アイディア商品。その名も「自撮り傘」(papaler)です。傘の部分は分離するので、雨が降っていても濡れずに自撮りできてしまうのです! さらにスゴイのは、傘をご覧のように地面に立てれば簡易三脚にもなってしまうところ! ……まぁ、グラグラでしたけどね!

こちらはやたらゴツメの多機能iPhoneケース「ZTYLUS」。ケースの背面中心に丸型アタッチメントが付いていて、LEDライトやレンズ、さらにGoPro用マウントまで付けられてしまう超絶便利そうなケースです。だいぶゴツいので、好みは分かれそうですが、コンセプチャルでガジェット好きには受けそうです。

ZEISSの「ExoLens with optics by ZEISS」。かっこいいんですけど、お高いんでしょう?

iPhoneカメラ用のアタッチメントはいくつか出展されていましたが、僕がOneMe Storeで仕入れようかと悩んでいるのが、一流レンズメーカー、カール・ツァイスのレンズを採用したFellowesの外付けレンズキット「ExoLens with optics by ZEISS」。

こちらは望遠、広角(0.6x)、マクロレンズの3タイプがマウントできる仕様。こういった「ガジェット×ガチなレンズメーカー」という組み合わせはマニアの心をくすぐります。

ただし、今回のシーピープラスでは実機の展示はありましたが、販売時期も価格も未定とのこと。いくらだったら売れるか考えちゃいます。

カメラの世界は広かった……

今回のイベント、上で紹介したアクションカムだけではなく、発売直前で話題になっていたデジタルカメラもいくつかあり、かつ、実際に触ることができたので、会場はすごい人と熱気でした。

デジタルカメラもアクションカムも、Wi-Fiなどの通信機能が搭載されて、スマホやPCと直接、データのやりとりができるのはいまや当たり前。これからはスマホでの新しい視聴方法や表現方法が、プロだけではなく、おそらくアマチュアの人たちによってどんどん進化していくんじゃないかな~と思いました。プロ・アマ問わず、日本のクリエーターがそのときにたくさん活躍してくれると面白くなるでしょうね!

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シーピープラス
OneMe Store

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【おもいでタイムライン】第6回:1996〜1993年、「携帯」から「ケータイ」に

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1995年の暮れ、Microsoftから発売されたWindows 95を買い求める人々。その光景はメディアでも大々的に取り上げられた
写真提供:朝日新聞社

日本で初めての携帯電話「ショルダーホン」が発売されてから、約30年が過ぎました。そして携帯の進化と同時に、私たちのコミュニケーションも大きく変化してきました。携帯電話の歴史は、コミュニケーションの変遷の歴史でもあるんです。

では、一体どんなふうに変化してきたのでしょう?

TIME & SPACEがお届けする、携帯電話の歴史30年を振り返るサイト「おもいでタイムライン」連動連載の第6回は、1996〜1993年までさかのぼってみましょう。

■おもいでタイムライン
http://time-space.kddi.com/omoide

「携帯」という言葉は、本来は「身につけたり、手に持ったりすること」という意味。ですが、いつのころからか「携帯電話」を指すようになりました。

そもそもは多忙なエグゼクティブが、いついかなる時でも連絡を取れるように活用し始めたビジネスツールでした。が、この時期、同じく単なるビジネスツールだったポケベルが女子高生のコミュニケーションツールとして人気を集め、携帯電話も若者たちにとって憧れのアイテムへと変わってきました。そして、契約の方式や料金形態が見直されて現実に手が届くようになってきたのもこの時代。「ケータイ」は「家の電話から家の電話」に縛られていた若者たちの通信スタイルを一気に自由にしたのです。

かつて、ある著名な小説家が主張したことがあります。「略するのであれば”携電”とすべきだ」と。「ケータイ」だと、「電話」の要素がなくなってしまうから。でも実は「ケータイ」で正解だったのかもしれません。携帯電話はこの時、単につながって話せればいいというだけの存在ではなく、さまざまな特徴を持ち始め、特殊なデバイスへと変わり始めていたから。

携帯電話はすべて「レンタル」だった!

携帯端末売り切り制がスタートした当時の、旧IDOの店舗(写真提供:朝日新聞社)

みなさん知ってます? 1993年ごろ、携帯電話って全部レンタルだったんです。保証金や加入料が必要で、携帯電話の基本使用料も1万円以上。通話料金も今よりもグッと高くて、まだまだ携帯は「特別なもの」だったんです。

変化が訪れたのは94年。携帯端末売り切り制がスタートして、好きな機種を自由に”買える”ようになりました。保証金は不要になりましたが、それでも加入料が3〜4万円、端末の価格は10万円前後、さらに諸経費で、携帯電話を持つための初期費用はおおよそ15万円ほどかかったものです。

この頃、若者たちのコミュニケーションツールの中心はポケベルでした。「0840」とか「114106」とか「33414」とか、いわゆる「ポケベル打ち」でメッセージを送り合いましたよね? 分かります? 「おはよう」「あいしてる」と「さみしいよ」です。その後、ポケベルは日本語を表示できるようになり、恐るべきスピードでプッシュホンから入力する超絶技巧の女子高生なども現れました。そうそう、ドラマ『ポケベルが鳴らなくて』とその主題歌がヒットしたのが93年でしたね。

当然ですが、ポケベルって受信専用。受け取ったメッセージへの返信を相手のポケベルに、また暗号やらカタカナやらで打ち返していたわけです(「ベル友」なんていう呼び方もありましたね)。そんな若者たちへの救いの手となったのがPHS。彼らはピー・エイチ・エスとは呼びません。「ピッチ」です。念のため発音は「ピッチ(↓)」ではありません。「ピッチ(↑)」です。

そして一気に加入者が増えた。

写真提供:朝日新聞社

PHSのサービスがスタートしたのが95年。コードレスホンの子機の仕組みを利用した規格で、とにかく加入料も基本料金も安く、通話料は公衆電話とあまり変わらず、ポケベルユーザーだった若者たちに圧倒的に支持されるようになります。

高校生のお年玉でなんとかなる加入料と、おこづかいでなんとかなる基本料金。通話はそもそも着信メイン(相手のポケベルへの発信程度)で多用せず、通話する場合は家電(いえでん)から相手のPHSヘ。とまぁ、チマチマ使うのが当時の学生さんのPHSスタイルでした。

携帯電話の事業者は東名阪で当時4社、PHSは3社がしのぎを削り、おのずと価格競争は激しくなっていきました。「音質はピッチが良い」なんて言われたものですが、一方で、PHSと争うようなかたちで携帯電話の加入料や基本料もどんどん下がり、96年末にはとうとう加入料自体が廃止。同じ頃にはPHSの方でも新しい事業者が、端末を0円で配布するなんてことを始めました。

ここで携帯電話は一般層にどんどん普及することになりました。93年度末には213万件ほどだった加入契約数が、96年度末には携帯電話・PHS合わせて、何と2,690万件にまで膨れ上がったのです。

携帯電話はよりパーソナルに。

この頃、際立った携帯電話史上のできごとがあります。それは「色」。それまで誰も疑問を持たなかった「黒いボディカラー」からの脱却が始まりました。ゴールド、シルバー、ピンクなどが登場し、市場は賑やかに。ほとんどビジネスシーンだけで使われていた携帯電話が、新たな層の需要を掘り起こし、新たなシーンへと進出したのです。人気を集めたD315(ノキア製)は、カバー交換ができるモデル。機能以外の面も少しずつ重視されてきたことが分かります。ちょっと時代は下りますが、97年に発売された506G(三洋電気製)は3色展開で若い女性を中心に支持されました。

この時代の携帯電話・スマホは?
左/「506G」(1997年6月/三洋電気製)。携帯電話で文字が送れるIDO初のSMS対応モデル。ビジネス仕様の「黒」から脱却した爽やかな本体カラーで人気を博した。中/「D319」(1996年11月/デンソー製)。ケータイ初「メロディ着信音作曲機能」搭載。自作のメロディを着信音に設定できた。96年のグッドデザイン賞受賞。右/「D315」(1996年7月/ノキア製)。当時ケータイにカラーバリエーションがほとんどない中、オプションで5タイプのカラーカバーが選べた
「おもいでタイムライン」記事へ
→「506G」 →「D319」 →「D315」

携帯電話に着メロが初めて搭載されたのもこの時代。IDOのD319(デンソー製)は、まさにパーソナル化の象徴。プリセットの楽曲だけでなく、自分でつくったメロディを着信音にできる 「メロディ着信音作曲機能」を搭載しました。好きな「色」をまとって、好きな「曲」を鳴らすようになった携帯電話。レンタル時代とは比べものにならないほど、ユーザーにとって身近な機器になっていたのです。

実は、携帯電話に初めてマナーモードが搭載されるのもこの時代でした。それだけ多くの人が持つようになり、いつ着メロが鳴っても不思議ではないほど普及してきた、という証拠かもしれませんね。

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おもいでタイムライン

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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【5Gの未来】前編「大ちゃん、次世代の電波を受信する」の巻

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ここ数年のあいだに通信環境は劇的に変化し、スマートフォンやパソコンだけでなく、家電や自動車、文具など、さまざまなモノがインターネットに接続されるようになりました。さらに、次世代通信システム「5G(第5世代移動通信)」が整備されると現在の4Gよりも高速・大容量の通信が可能になり、身のまわりのあらゆるものがインターネットデバイスに変わる可能性があるとかないとか……。

では、5Gの未来では一体どんなことができるようになるんでしょう? T&S編集部員の大ちゃんを5G時代に送り込んで、未来の暮らしを覗いてみましょうか。

5G時代には、あらゆる家電を遠隔操作できる

最近よく耳にするようになった「IoT(モノのインターネット)」。これが進めば、部屋の空調や冷蔵庫の中身の管理、テレビの録画予約など、いろんなことがインターネットを介して遠隔で行えるようになります。その情報を共有したり、ハックしたりすれば、こんな起こし方もできるかも?

あずき「……起きて、大ちゃん、起きてってば! こうなったら、冷房をフル稼働させて凍えさせちゃうわよ。えいっ!」

大ちゃん「むにゃむにゃ……さ、さむいー!」

あずき「もう! 今日の取材は駅で待ち合わせって言ったでしょ!」

大ちゃん「取材? はて、編集部の会議室でお昼寝していたはずだけど……ここはどこ?」

あずき「寝ぼけてる場合じゃない! 血圧は低いし、血糖値も足りてないじゃない。冷蔵庫に賞味期限が3日過ぎたエナジードリンクが入ってるから一気飲みしてすぐに出て。枕元で充電してるメガネも忘れないでよ!」

大ちゃん「ドリンク……ほんとだ! 賞味期限3日過ぎてる。枕元に…メガネある! あずきちゃん、どこから見てるの? オレ、監視されてる?」

あずき「いいから、メガネをかけて走れっ!」

パーソナルナビ機能で、大ちゃんの遠隔操作も可能に!

大ちゃん「とりあえず飛び出したけど、なんじゃこりゃー!? SF映画のセット? 異星? 未来?」

あずき「今から取材先までのルートを送るわよ。わたしは先に行ってるから、案内どおりに猛ダッシュで来てね。」

大ちゃん「ルート??? ……ぬわっ!? 視界に文字がーっ! 視界に線がーっ!」

未来の街では、スマートグラスなどのウエアラブルデバイスがスマホに代わる通信端末に。透明なレンズに情報が表示されるので、大ちゃん視点ではあたかも風景の上に文字や図形が現れたかのように見えるのです

“目的地まで、徒歩と電車で1時間。次の予定には、最初の駅まで時速15kmで走れば間に合います”

大ちゃん「だ、誰? 頭のなかから声が聞こえる……。」

A.I.タン「”私は5Gシステムの人口知能「A.I.タン」。大ちゃんの位置情報と心拍データは、あずきちゃんにも共有されています。全力で走らないと、怒られますよー”」

大ちゃん「ええっ? あずきちゃんはどこにいるの?」

A.I.タン「”あずきちゃんは、60km先で舌打ちしています。心拍数・血圧上昇、今の気分は(怒りマーク)です”」

大ちゃん「ひぃぃぃぃっ……。」

SNSはよりリアルに。ブロック時のダメージも大幅UP

電車のなかで、A.I.タンからスマートグラスの使い方をレクチャーしてもらった大ちゃん。リアルな位置情報にひもづいた次世代SNSが気になっているようです

大ちゃん「なるほどねえ。あのみんながかけているメガネが、パソコンやスマホみたいな通信端末になっているわけだ。おっ、あのお姉さん、超美人!」

A.I.タン「”1,200人が彼女に「いいね!」しています。公開プロフィールを表示しますか?”」

大ちゃん「そ、そんなことできるの? ……なになに? 「YUMEKO/IT系社長秘書。海外ドラマオタクです。趣味→映画鑑賞/ヨガ/スイーツ/焼肉。知り合い以外はフォロバしません”」。A.I.タン、「僕と焼肉食べにいきませんか?」ってメッセージを送ってみよう!」

A.I.タン「”メッセージを送信しました”」

大ちゃん「あ、今YUMEKOちゃんこっち見たよね。あれ? プロフィールが消えた。」

A.I.タン「”YUMEKOさんがあなたのアカウントをブロックしました……ドンマイ。次の駅が目的地周辺です”」

あらあら、大ちゃんはどうやら異世界に迷い込んでしまったようです。果たして取材に間に合うのかな? SNSナンパしてる場合じゃないですよ!(後編に続く)

※本記事に掲載されている内容については、架空の内容であり、商品・サービスの実用化をお約束するものではございません。あらかじめご了承願います。

関連リンク

KDDIの次世代通信「5G」への取り組みご紹介ページ
世界初、AR画像を視線の先にぴったり表示する透過型スマートグラス用ソフトウェアを開発  ~ 日常や仕事にプラスα(アルファ)のコミュニケーション体験を~
日本語音声合成ソフトウェア「N2」のWindows版およびLinux版開発キットを販売  ~IoTデバイスへの読み上げ機能搭載が容易に~

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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ダカールラリーでスマホが果たした意外な役割とは?

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砂漠や山岳地帯などの悪路を走破するラリーレースの世界最高峰「ダカールラリー」。2016年1月に開催された第38回大会で、ホンダ・レーシングによるTeam HRCは、京セラからスマートフォン「TORQUE(トルク)S701」の提供を受け、レースで活用しました(「TORQUE S701」はau向け「TORQUE G01」とプラットフォームを共通にする欧州向けスマホ)。

2016年1月の第38回ダカールラリーでTeam HRCが採用した京セラのタフネススマホ「TORQUE S701」

「TORQUE」は京セラ製のAndroidスマホ。米国国防総省の物資調達基準(MIL-STD-810G)に準拠し、防水・防塵・耐衝撃をはじめ耐振動・耐日射・防湿・温度耐久・低圧対応・塩水耐久などのタフネス項目をクリア。さらに従来のスマホでは不可能とされていた画面が濡れた状態や、グローブをはめた手によるタッチ操作をも可能するなど、過酷な現場での使用に耐えうる究極のタフネススマホです。

そんな「TORQUE」がダカールラリーという壮絶な環境においてどのように活用されたのか、その真実に迫ります。

2週間で9,000km! 悪路をひた走る過酷なレース

初開催はさかのぼること1979年。フランスはパリから、セネガルの首都ダカールまでの陸路1万2,000kmを走破するラリーレースとして始まったのが「パリ・ダカールラリー」、現在の「ダカールラリー」です。ドライバーやライダーは地図とコンパス、距離計だけを頼りに、一度も走ったことのない荒野をチェックポイント目指して突っ走る。事故やケガ、遭難はもちろんのこと、ときには命までおびやかす過酷なレースは綿々と受け継がれ、現在は南米にステージを移し、例年1月に開催されています。

2016年1月に行われた第38回大会の模様

「日本ではあまり知られていませんが、実は観客人口は世界で450万人(TVなどのメディアを含めると1億人)を超えるともいわれるラリーの最高峰なんです」と語るのはホンダ・レーシング Team HRCのサポートメンバーとして参加している本田技術研究所 二輪R&Dセンターの野口晃平さん。2016年1月の第38回大会でも2週間、9,000kmにもおよぶ戦いに臨んだばかりだとか。

本田技術研究所 二輪R&Dセンター 野口晃平さん

具体的にはどのようなレース展開となるのでしょうか?

「途中で1日だけオフはありますが、期間中は毎日、日の出から日没まで、ライダーは指定されたチェックポイントを通過して最終的にその日のゴールを目指して荒野を1日あたり数100kmから1,000km以上も走り抜けます。使っていいのはコンパスと地図、距離計だけで、スマホはあくまで遭難時の連絡用。特に二輪車クラスは、四輪車クラスのようにコ・ドライバー(ナビ係)が同乗せず、ライダー1人なので、ルート探索も、転倒などによる破損部品の修復みたいなトラブル解決も全部自身で対応しなくてはいけないんです」(野口さん)

ダカールラリーは開催地のアルゼンチンでも大人気。スタート地点には多くの観客が詰めかける

Team HRCがタフネススマホを必要とした理由

そんな過酷なレースに参加するTeam HRCを陰ながらサポートしたのが、京セラのタフネススマホ「TORQUE」だと野口さん。ではいったい、どのような目的で「TORQUE」をラリーに投入したのでしょうか?

過酷な環境に身をおくのはライダーだけではない。バイクを整備するメカニックやエンジニアもキャンプ地を転々としていく

「そもそもラリーでは、砂漠や泥地、高山地帯に塩湖と、さまざまな過酷な環境にさらされます。長時間の振動はもとより、50℃を超える高温マイナス10℃にもおよぶ低温、また突然の嵐による水没と、電子機器にとっても非常に厳しい。となると、スマホもタフネスなものを用意すればレースを有利に進められるのではないかと、京セラさんに端末提供をお願いしたのがきっかけです」(野口さん)

そのオファーを快く引き受けたのが、京セラ 通信機器経営戦略部の徳重芳浩さん。

「どうやら野口さんが、MTBでの利用シーンを訴求した『TORQUE G01』のTVCMをご覧になったようで、『ぜひともダカールラリーで使いたい』と端末提供の依頼を受けました。

MTBでの利用シーンを通じて優れたタフネスを訴求したTVCM

京セラ 通信機器経営戦略部 徳重芳浩さん

そこでライダー9名、メカニック9名、エンジニア2名という内訳で『TORQUE』を20台ご用意しました。基本的な仕様はそのままですが、ライダー向け提供端末はレースのレギュレーションに抵触しないよう、特別仕様になっています」(徳重さん)

Bluetoothによるデータ連携がトラブル解決に大活躍

メカニックによる整備の様子

では、ダカールラリーの現場でどのように「TORQUE」を活用されたのでしょう?

「まずBluetoothを活用して、バイクの電装品データや走行データを、ライダーバッグに入れた『TORQUE』側で表示できるようにしました。外からは分からないエラーコマンドやセンサーの状態を把握することで、修理や整備の時間を短縮できたんです。また、マシンのマニュアルやパーツリストをいつでも参照できるよう、データを『TORQUE』に格納しました」(野口さん)

レース期間中、メカニックが活動できるのは、ライダーがゴールしてから翌日にスタートするまでのわずかな時間。事実、トラブルが発生した際も「TORQUE」は想定どおり迅速な復旧に活躍したのだとか。

メッセンジャーアプリでレースの最新情報を共有

また、「TORQUE」がスタッフ全員に好評だったのは、通話やメール、ネットといったスマートフォンの基本機能が、過酷な環境下でも不自由なく使えたことだという。

「基本的にライダーが出発してしまうと、僕らメカニックやエンジニアはどんな状況にあるか把握できず、『いつ誰がどこのチェックポイントを通過して、現在何位か』というリザルトを、大会の公式サイトでチェックするしかありません。しかし、公式サイトは作りが重く、現場は通信状況が悪いところも少なくないため、なかなかアクセスできないことも。そこで、比較的通信状況が安定しているアルゼンチンの首都ブエノスアイレスにスタッフを常駐させて、レースの最新情報をメッセンジャーアプリで共有することにしました。我々も常に移動していますから、電波がつかめたわずかなタイミングで最新状況が共有できる。これはレースを円滑に進めるうえで大きなアドバンテージとなりました」(野口さん)

海外のライダーやスタッフも「TORQUE」を絶賛

こうして2週間におよぶレースを無事に戦い抜いた「TORQUE」。ライダーやメカニックからの反応はいかがでしたか?

アルゼンチンとボリビアの国境付近では豪雨に見舞われ、あたり一面が水浸しに。その中でもメカニックやエンジニアはバイクの整備を滞りなく遂行することが求められる

「これまで、海外ライダーやスタッフのスマートフォンは、毎年レースが終わる頃には砂や水で壊れてしまうことが多く、帰国後に買い替えるのが恒例となっていました。今大会もエルニーニョ現象の影響か、アルゼンチンのサンホアン周辺ではライダーたちは60℃近くの高温にさらされ、アルゼンチンとボリビアの国境付近のフフイでは太ももまで浸かる大雨にも見舞われたほどです。しかし『TORQUE』はそれでもまったく故障せずに最後まで使えた。特にライダーからは、グローブしたまま操作できるし、デザインもカッコいいし、次回のレースでも使いたいと大絶賛でみんな持って帰りましたね」(野口さん)

ラリーの現場における”通信のチカラ”の可能性

そんな今回の経験を踏まえ、来季以降、タフネススマホをラリーでどのように活用していきたいでしょうか?

「例年、過酷な環境下で体調を崩すチームクルーが必ず出てきます。実際、今年もウユニ塩湖周辺でエンジニアやメカニックが何人か高山病にかかるなどして大変だったので、今後は生体情報を取得してライダーやメカニックの健康管理に役立てたいですね。また、毎日メカニックが記録するメンテナンスチェックシートも電子化することで効率化を図っていきたいです。そのためには徳重さん、来年は30台の提供をお願いします!」(野口さん)

ラリーという過酷なシチュエーションでも大いに役立っている“通信のチカラ”。とりわけ、京セラの「TORQUE」は激烈を極める環境においても不具合なく動作し、極限状態のライダーやメカニックたちを支えたことで、その優れたタフネスをあらためて証明しました。

関連リンク

au TORQUE G01
KYOCERA TORQUE G01
KYOCERA DAKAR RALLY 紹介サイト
株式会社ホンダ・レーシング
Honda Racing Corporation

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没入感がハンパないVR端末がもらえる……!?

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ゴーグル型ヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」

2016年5月19日、人気のスマートフォン「Galaxy」シリーズの最新機種「Galaxy S7 edge」(SAMSUNG)が発売される。それに向けてauは、5月12日から5月18日までに同機種を予約し、6月30日までに購入した人全員に、VR(バーチャルリアリティ=仮想現実)を手軽に楽しめるゴーグル型ヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」をプレゼントするキャンペーンを実施する。

このキャンペーンのすごいところは、予約購入した人全員が”絶対”もらえるという点だ。なかなか太っ腹な話である。

VR初体験レポ。没入感がハンパじゃない!

とはいえ、現時点では「VRってぶっちゃけどうなの?」という疑念が拭い去れない。

VRはICT業界において近年もっともホットな分野のひとつであり、『TIME & SPACE』でもしばしば取り上げてきた。ただ、我々一般ユーザーには、まだまだ先の未来のことのように感じてしまう。筆者もVRについて適切な説明を求められたらきっと目が泳ぐだろうし、実際、VRについての記事を書かなければいけない今、キーボードを打つ手が泳いでいる。

案ずるより産むが易し。そんなわけで「Gear VR」がどのようなものなのか、試してみることにした。

「Gear VR」を使うには「Galaxy」の対応機種が必要。今回は「Galaxy S6 edge」を用意した

「Gear VR」の前面のカバーを外し、「Galaxy」を装着する

イヤフォンは「Galaxy」側に取り付ける

顔に装着する部分はゴーグルのような形状になっている

いざ装着。フィット感は悪くない

装着すると、目の前にはまるで自宅のリビングのような空間の映像が広がった。これが「Gear VR」のホーム画面らしい(本人しか見えていないのだが……)

操作は側面のタッチパッドで行う。たくさんのコンテンツの中から、横浜DeNAベイスターズの公式コンテンツ『360°BAYSTARS』の360°動画を再生してみると……

わわっ、選手たちが目の前に……!

横にも、そして後ろにも……!

まるで自分が本当に球場のグラウンドにいるみたいだ……!

ぐわ、ボールが飛んでくる〜〜!!!!

こ、こ れ は や ば い……!!!!

白状すると、当初は「どうせスマホでしょ? 子供だましなんじゃないの?」と舐めてかかっていた。しかし、「Gear VR」を通してみる360°の映像は、こちらの想像を遥かに超える迫力あるものだった。没入感がハンパじゃなく、まるで自分が本当にその場にいるかのような錯覚に陥ったほど。「Gear VR」恐るべし、である。

360°動画を疑似体験せよ!

初めてのVRは驚きの体験だったが、何がどのように見えているかは装着している本人しかわからないのがもどかしい限り。筆者が見ていたのは下記の映像だ。これで360°動画がどういうものかを疑似体験できるので、ぜひご覧いただきたい。

■【360BAYSTARS】#4 開幕に向けた宜野湾キャンプを体感!

360°動画はこちらから体験できます
※PCの場合は最新バージョンのブラウザでご覧ください
※スマホの場合は最新バージョンのYoutubeアプリでご覧ください

そして下記はSAMSUNGによる360°動画のサンプル映像。

■Gear VR : 360°ムービー 「Surf – Tahiti in 360°」 【ギア VR】

360°動画はこちらから体験できます
※PCの場合は最新バージョンのブラウザでご覧ください
※スマホの場合は最新バージョンのYoutubeアプリでご覧ください

「Gear VR」を装着すると、この映像が視界全体に広がった感じになる。ゆえに、自分が実際にそこにいるかのような感覚になるというわけだ。

対応コンテンツはスポーツ、映画、ゲーム、アーティストのライブなど200以上の豊富なコンテンツが用意されており、人気のNETFLIXもVRアプリを提供しているので、いろいろと楽しむことができそうだ。また、VR業界自体が盛り上がっているので、今後も対応コンテンツは増えていくことが見込まれる。

<niconico VR>

<VR Cruise>

<TOMB OF THE GOLEMS>

<白猫VRプロジェクト>

参考)Gear VR Experiences

https://www2.oculus.com/experiences/gear-vr/#psea

au直営店で「Gear VR」が体験できる!

VRは実際に体験してみないとそのすごさが伝わりづらいこともあり、SAMSUNGはこれまで、野球場(マウンドやバッターボックスからの視点を仮想体験)、ネットカフェ(バーチャル映画館として話題の映画を公開)、バイクディーラー(バーチャル試乗体験)など様々な場で「Gear VR」の体験の機会を設けてきた。

そしてauは、冒頭のキャンペーンにあわせ、2016年5月11日より、『au SHINJUKU』(東京・新宿)、『au NAGOYA』(名古屋・栄)、『au OSAKA』(大阪・梅田)、『au FUKUOKA』(福岡・天神)、『au HAKATA』(福岡・博多)に「Gear VR」を展示し、ユーザーが体験できるようにする。

VRが“未来”の話ではなく、すでに”現在”のものとなっていることが実感できる「Gear VR」。「Galaxy S7 edge」の購入を考えている人はもちろん、そうじゃない人も、期間中はぜひau直営店に足を運び、実際に体験してみてほしい。マジでビックリするから!

大事なことだから最後にもう一度言う。「Galaxy S7 edge」を期間中に予約して購入すると、この「Gear VR」を全員が”絶対”もらえるのだ!

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GALAXY S7 edge詳細はこちら
写真もゲームも映像も思い切り楽しみたいあなたへ!世界初の「デジタル一眼レフカメラ技術」とauスマホ史上最大の3,600mAhバッテリーを搭載した「Galaxy S7 edge」が登場
SAMSUNG Gear VR

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恐怖! プライバシーが漏れて話題になった「クローンスマホ」とは?

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この地上に、自分のものとうりふたつのスマホが存在したら……

芸能界のスキャンダルで、その存在が知られるようになったクローンスマホ。新しい機種にバックアップデータを読み込んだあと、古いほうの端末はたいていそのままにしてしまう。で、その古いスマホを引き出しに入れっぱなしにしたりする。この双子の片割れが世に出るはずはない、とすっかり安心しきって……。ところが、この古い端末がなんらかの理由で第三者の手に渡ってしまったのが、あのスキャンダルの発端だといわれている。

古いほうの端末にパスコードがかかっていなかったり、あるいはロックされていても、パスワードを推測されて解除に成功すれば(パートナーや恋人ならパスワードを知っているかもしれない)、当然のごとく、古い端末のありとあらゆる情報を見ることができる。しかも、あなたが新しい端末で行っているSNSでのやり取りも、その古い端末でリアルタイムでモニターできるのだ。

もちろん、新しい端末に乗り換えたからには、古い端末のほうは電話機としてはもう使えない。1つの電話番号は、SIMカードなどのIDカードを通じて、1つの端末にだけ与えられるからだ。だが、PCなどにWi-Fi接続してインターネットにログインさえできれば、古い端末はネット上であたかも新しい端末のようにふるまうことができるのだ。なぜなら、電話機能が失われても、スマホが持っている小さなパソコンのような機能は失われないからだ。そんな状況に陥らないための予防策を紹介しよう。

なにはともあれ、他人に触らせない&触っても使えなくする!

これは基本の「き」だが、まずは端末を放置するのは厳禁。設定の仕方によってはロック画面にSNSの内容が表示され、他人に盗み見される。ロック画面での通知は必ずオフにしておくべし。そして、必ず解除パスコードを設定すること。ロックするなんて面倒くさい! なんていう人は、「どうぞクローンをつくってください」と言っているようなものだ。

アプリケーションにもロックをかける。アップデートも忘れずに

例のスキャンダルでは、LINEの内容が流出したわけだが、LINEアプリを起動する際にもパスコードを要求するように設定できる。これも「いつも使ってるからパスコードなんていらないよ」と思っちゃいけない。万一のことを考え、必ずロックをしておこう。

サービス提供側でも対応を行っている。2016年2月にLINEのアプリアップデートが実施され、「LINE ver5.10.0」からは同じIDから複数の端末で起動することができなくなった。ただし、これはアプリをアップデートしていれば有効になるが、従来のバージョンでは複数端末からの起動は可能なので気をつけておきたい。自分の使っているLINEアプリが、ver5.10.0 以降の最新バージョンかどうか確認しよう。

アナライザーの存在にも注意。データをバックアップするパソコンにも注意

ほかにも、端末の中身を持ち主に無断で見る方法がある。たとえば、アナライザーと呼ばれるソフトだ。これはパソコンにインストールして使うもので、スマホで作成したバックアップデータの解析や復元を目的にしたもの。バックアップデータ自体は持ち主本人ですら中身を見ることはできないが、このソフトを使えばメールの中身、住所録、LINEのメッセージなど、スマホに入っているすべてのデータをパソコンから閲覧することができるのだ。バックアップデータを見るのだから、そこにスマホ本体がある必要はない。

そもそもアナライザーは、自分のスマホのデータを管理するためのソフト。でも、悪意ある人にとっては、他人のスマホ解析ソフトになってしまう。つまり、自分の端末だけでなく、バックアップを取っているパソコンの管理もしっかりしておく必要もある。

これで、クローンスマホの恐怖も他人ごととは思えなくなったのではないだろうか。スマホまわりのスキャンダルには重々お気をつけあれ。

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“電気を可視化”してムダを減らす「スマートメーター」とは?

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賢くなった電力量計でなにがわかるのか?

2016年4月から電力自由化がスタートし、大手電力会社だけでなく、さまざまな企業が電気を販売できるようになった。その関連で最近ニュースでもよく取り上げられているのが「スマートメーター」だ。

これまで各家庭の電気使用量は、「電力量計」で計測されていた。家の外壁やマンションのメーターボックスに設置されている、金属の円盤がクルクル回っているアレのことだ。毎月の電気料金はこの円盤の回転数(電気をたくさん使う=回転が速くなる)をもとに算出されていて、毎月検針スタッフがそのチェックのために各家庭を訪問している。

スマートメーターとはその電力量計に替わるもので、その名のとおり、多機能な賢いメーターだ。基本的には電力会社が無料で各家庭に設置する。大きな特長は、通信機能を備えている点。各家庭の使用状況を戸別訪問しなくても把握できるため、電力会社の業務コストを大幅に削減できる。

電力供給のきめ細かなコントロールが可能になる

NO クーラー、NO ライフ!! ここ数年、日本の夏は厳しい暑さが続いているが、それにともなって電力の使用量もうなぎ上り。これまでは利用者の節電意識に頼らざるを得なかったが、スマートメーターなら戸別の供給量をきめ細かく制御できる。使用量の予測も立てやすくなり、電力供給のひっ迫を回避できる。

災害時にも有効だ。2011年の東日本大震災では計画停電が実施されたが、当時スマートメーターが実用化されていれば信号機や病院への電力供給を保ちながら、そのほかへの供給を抑えることができただろう。

また、電力量計は月ごとの使用量しか計測できなかったが、スマートメーターでは30分ごとに使用量を計測するため、たとえば利用者にメールで使用量を通知してムダな電気使用の削減につなげることだってできる。

電気をどれだけ使ったがわかると、さらなる活用方法も見えてくる。遠方に住んでいる高齢になった親類の暮らしぶりを、電気の使用状況から把握。いつもより使用量が少なかったり多かったりしたら、地域の保健師に連絡が届き、家庭を訪問する行政サービスだって展開可能だ。

これは海外で使われているスマートメーター

どうやったらスマートメーターを使えるようになるの?

ここまで読んで、スマートメーターが夢に出てくるほど欲しくなってしまった人はどうすればよいか。まず、基本的にスマートメーターへの切り替え工事はほとんどの場合が無料。電力量計は電力会社の持ち物であって、利用者の物ではない。だから費用負担は発生しないのだ。

スマートメーターへの切り替えは、各地の大手電力会社が2015年度から本格的に進めている。従来の電力量計は法律に基づいて検定有効期間が定められていて、おおむね10年程度で機器を更新している。工事は超カンタン。既存の電力量計から置き換えるだけなので、30分もあれば済んでしまう。

というわけで、多くの電力会社は更新タイミングを迎えた電力量計から順次スマートメーターに切り替えるとしているので、自宅の電力量計の有効期間を調べてみてほしい。それと今後、自宅を戸建に新築する場合や、新築マンションに入居する場合は、新生活スタート時からスマートメーターが導入されている可能性が高い。施工会社や不動産会社に問い合わせてみよう。

電力会社を選べる自由が手に入る

電力自由化によって多くサービスが生まれたが、どのプランにメリットがあるのか今の時点ではわかりにくいのが正直なところ。スマートメーターで自分の電気の使い方を把握できれば、電力会社選びも目安がつきやすい。逆をいえば、スマートメーターがなければ、料金比較がしにくく、電力自由化も進まないだろう。

ちなみにauでんきの場合、auスマホなどとセットで契約することで、電気の利用料金に応じて、au WALLET プリペイドカードへのキャッシュバック率が上がる。そのほかにも、多くの企業がさまざまなサービスで電気販売に力を入れている。スマートメーターで電気を賢く使い分けていこう!

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【世界のサイバー事件簿】あなたのPCがサイバー攻撃に使われている!? エストニアのサイバー事件

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Webに侵入して内容を改ざん、大量のアクセスを集中させて機能不全に陥らせる。インターネットの通信機能を悪用して、IT関連のインフラを妨害・破壊するサイバー事件は、今もこの世界のどこかで起こっている。それは人ごとではなく、我々の身近な危機でもある。本連載では、世界各国で起こったサイバー事件にスポットを当て、その驚きの攻撃手法を解説しつつ、事件の全貌を明らかにしていこう。

パンも買えない!? IT立国エストニアがサイバー攻撃で完全にマヒ

英語で、第一次世界大戦を「WW1(World War I)」、第二次世界大戦を「WW2(World War Ⅱ)」と略すことがある。第1回目にご紹介するエストニアのサイバー事件は、のちに専門家から「WW1(Web War I)」と呼ばれることとなる。世界で最初の”第一次ウェブ大戦“である。
2007年4月27日。バルト海に面した北欧の小国エストニアは、異様な朝を迎えた。それは大統領府のウェブサイトの異常から始まった。世界中から大量のアクセスが押し寄せ、そのあまりの量にサーバーが耐えきれずにダウン、サイトは使用不能に陥った。サイバー攻撃である。

攻撃のターゲットはさらに拡大し、ほぼすべての政府機関、通信機関、主要メディア、主要銀行2行などが狙われ、エストニアという国の根幹を支えるコンピュータシステムやネットワークが次々とダウンしていったのだ。

このサイバー攻撃は世界50カ国以上、約100万台のパソコンによって行われ、同国へ流入した総トラフィック量は、通常時の400倍以上であったという。これにより、銀行業務をはじめ、国内の各種インターネットサービスはほぼ使用不能となる。

……もしこれが、エストニアではなく別の国であれば、「WW1」と呼ばれる歴史的な事件にはならなかっただろう。

実はエストニアは1991年の独立後、「IT立国」を国策に掲げ、世界初のインターネットによる国政選挙を行うなど、世界で最も進んだインターネット利用国のひとつであった。国民の大半が現金をもたずに電子マネーを使っていたエストニアで、電子マネーが使えない日が数日続き、銀行業務のオンラインシステムなども停止。一時はパンやミルクすら買えない状況に陥り、国家の機能が完全にマヒしたのだ……。

身に覚えのない出前が届きまくる!? DDoS攻撃とは?

エストニアが受けたサイバー攻撃について解説しよう。行われたのはDDoS(ディードス)攻撃というものだ。DDoSとは「Distributed Denial of Service」の略語である。日本では「分散型サービス妨害攻撃」などと呼ばれる。

DDoS攻撃を知るためには、元となるDoS(ドス)攻撃の説明が必要だ。ターゲットとなるパソコンに、攻撃用のプログラムによって、処理能力を超えた大量のパケット(小さなデータの固まり)を送りつけ、システムやネットワークの機能をマヒさせるのがDoS攻撃だ。

簡単にたとえると、ひとりで経営している病院に500人の患者が一挙に押しかけて、業務不能の状態に陥れるようなものだ。この場合、攻撃者は自分の身元がわからないように、患者になる人間を雇うことになる。さすがに何万人も雇うことはできないため、その攻撃力は小さく、かつバレやすいという特徴がある。

そして、犯人が特定されにくく、大量かつ広範囲に行える攻撃法として考えられたのがDDos攻撃である。「分散型」とあるように、世界中のありとあらゆるところから大量のDoS攻撃を仕掛けるのだ。

病院のたとえでいえば、攻撃者が病院の名を語って、そば屋や中華料理店、ピザ屋など、街中のありとあらゆるお店から病院への出前を頼むようなイメージ。病院には、ひっきりなしに出前の人間が訪れ、大混雑になって業務不能に陥るというわけだ。

DDoS攻撃を簡単に説明すると、攻撃者がターゲットの名前を偽り、あらゆる店から出前を取りまくるようなもの

このDDoS攻撃のポイントは、善意の第三者を巻き込んでいる点にある。出前を持ってくる人に悪意はないし、注文の電話は病院がしたことになっているわけだから犯人は見つけにくい。しかも、攻撃者は自分ではウソの注文の電話を掛けるだけでよいのだ。

サイバー攻撃に使われたのはあなたのパソコンかもしれない

実際に、エストニアが受けたDDoS攻撃はさらに巧妙だ。攻撃者は、まず「ボット」を利用する。「ボット」とはロボットに由来するもので、他人のコンピュータを乗っ取り、遠隔操作する悪質なソフトウェア(マルウェア)のことだ。

この「ボット」に感染した”ゾンビコンピュータ“は、感染を拡大させて1万台、10万台と増えていく。そして「ボット」は、攻撃者が秘密裏に用意した「C&C(Command & Control)サーバー」と呼ばれる一種の司令塔に定期的にアクセスして指示をあおぐ。攻撃者はC&Cサーバーを通じて、世界中のボットにこう指示を出すのだ。「○月○日○時に、このURLを攻撃せよ」と。すると、その決行日時に、世界中のコンピュータに感染した「ボット」のプログラムがターゲットへの攻撃を開始するのだ。

司令塔である「C&Cサーバー」から、さまざまなパソコンに「ボット」を侵入させてゾンビコンピュータに。そこから一斉に攻撃を行う

恐ろしいのは、「ボット」によってパソコンを乗っ取られたことに、持ち主はまったく気づかない点。もしかするとエストニアへのサイバー攻撃はあなたのパソコンに潜んだ「ボット」からなされた可能性もあるというわけだ。

エストニアはDDoS攻撃への対策として、フィルターによるトラフィックの抑制、サイトの移転などの対応を行ったが、そもそもネットがほぼ使えない状態であったからメールは利用できず、関係者同士のスムーズな連携も難しく、迅速な対処を行うことは困難を極めたという。

そして、激しいサイバー攻撃は、開始から3週間後に終わった。潮が引くように、エストニアのサイバースペースが通常量のトラフィックに戻ったのだ。攻撃者はエストニアに十分な混乱をもたらしたと満足したのかもしれないし、将来のサイバー攻撃の研究に役立つ十分なデータを得たので、攻撃を続ける必要がなくなったからだという声もある。

では、肝心のサイバー攻撃を仕掛けた犯人は誰なのか? 今のところ「隣国のロシア」という説が有力だ。これは、エストニアでロシア系住民が暴動を起こした翌日にサイバー攻撃が始まったこと、初期段階では攻撃の発信元の大半がロシア国内からのものであったこと、かつてエストニアが隣接する大国、ソ連の支配下にあった歴史などから推測されている。

当然、エストニア政府はロシアを激しく非難したが、ロシア政府は「ハッカーがロシア政府のコンピュータに侵入して悪用したのであって、我々は関係ない」と即座に否定している。

前述のように、DDoS攻撃の犯人を特定するのは極めて困難だ。攻撃に使用された”ゾンビコンピュータ”に目標の指示を出した者がいるはずだが、その指令の道筋を上流にたどっていき、見つけたその指令サーバーがロシア国内にあったとしても、それ自体がまた乗っ取られており、真犯人によって遠隔操作されている可能性も否定できないからだ。どれほど証拠があったとしても、犯人がロシアであるという確証はとれない。そこがDDoS攻撃の巧妙な点である。

もしもマイナンバー制度がサイバー攻撃を受けたら……?

話は変わって、日本ではこのところ、大企業や官庁へのDDoS攻撃事件が頻繁に起きている。エストニアのサイバー事件は、そんな日本にある警告を発しているようにも見える。

IT立国を目指したエストニアは、事件当時、すでに書類をデジタル化したペーパーレス行政を実現し、選挙も電子投票で行っていた。それを可能にしたのが、全国民が持つ電子IDカードだ。このカードには身分から納税まで、さまざまな個人情報が記録され、電子投票にもこのカードが使われた。日本のマイナンバー制度にそっくりのシステムが、2007年の時点で構築されていたのである。

もしも、日本のマイナンバーのシステムがエストニアのようなサイバー攻撃を受けたら……。24時間体制でサイバー攻撃の監視などを行う株式会社ラックの伊東 寛氏によれば、個人情報が盗まれる可能性は低いという。しかし、システム全体がマヒ、あるいは破壊されることは十分に考えられるというのだ。

マイナンバーのシステムは、さまざまな公共機関の既存のデータベースを統合した複雑な構造になっている。プログラムは人間が入力するから間違うこともある。そして、プログラムが大規模になり、複雑になればなるほど、思いもよらないバグやミス、つまり弱点が増えていく。そのぶん、悪意あるハッカーにシステム内に侵入される可能性が皆無とはいえないのだ。

マイナンバーのシステムがサイバー攻撃によってダウンしたとき、エストニアの人々のように、私たちがパンやミルクを買えなくなるということは、まずないであろう。それは我々日本人が、エストニアの人たちのように電子IDカードに依存した生活をまだ送っていないからだ。

とはいえ、データベースが攻撃され、多くのデータが失われたなら、社会保障や税務といった国の業務が大混乱をきたすだろう。IT立国の手本といえるエストニアを襲ったサイバー事件は、日本のマイナンバー制度への警鐘ともいえるだろう。

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株式会社ラック

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新生活のお悩みあるあるとは!? T&S的お役立ち情報3選

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新年度が始まって一ヶ月が経ちました。就職や転勤などで住まいや環境が変わったみなさん、新しい暮らしにはもう慣れましたか? 新生活に困りごとや悩みごとはつきものです。なにもかもがスムーズにいくとは限りませんよね。そこで、いざというときに役立つ「デジカル系ライフハック」をデジカル大ちゃんが身を持ってお伝えします。

1)新居でスマホがつながりにくい? でもあきらめないで!

おやおや大ちゃん、せっかく気に入って契約した新居でスマホがつながりづらくて困っているようです。内見のときにちゃんとチェックしておけば良かったのにね。

でもあきらめないで! 大ちゃんのようなお悩みを持つ人にぜひ利用していただきたいのが、携帯キャリアが提供している自宅の電波状況改善サービス。「フェムトセル」と呼ばれる家庭用の小型の基地局などを使い、スマホの電波をつながりやすくします。

つながりづらくてもすぐにあきらめず、まずは相談してみるといいでしょう。
【自宅の電波のお悩み解決! auの「電波サポート24」】

※右は電波サポート24アプリのTOP画面

auの「電波サポート24」は、お客さまからいただいた「ご自宅の電波改善要望」などにお応えするサービスです。ご自宅の訪問調査ご希望の場合は、お申し込みから24時間以内にご連絡。スマートフォンご利用のお客さまは電波サポート24アプリからのお申し込みが便利です。

→詳しくはこちら!

2)手持ちのカードを見直してみる。未使用のポイントが残っているかも?

あらあら大ちゃん、引越しの荷解きをしているときになにかを見つけたようです。それは、ずいぶん前に会員登録したものの、しばらく使っていなかったプリペイドカード。

「そういえば、使ってなかったポイントがまだ残ってるかも……」。そう思ってスマホで調べてみると、なんと1000ポイントも残っていました! 新生活を機にカードの管理をしっかりしようと心に決めた大ちゃんなのでした。

大ちゃんのようなケースは実は意外と多くて、ちゃんと確認すると未使用分が残っていることは少なくないんですよね。みなさんも一度探してみては?
【便利でお得! au WALLET プリペイドカード】

「au WALLET プリペイドカード」は、コンビニ・飲食店などのお店や、インターネットサイトでのお買い物にも使え、買い物するたびにWALLET ポイントが貯まる便利でお得なカードです。
また、2016年4月26日より、カードへのチャージ(入金)がコンビニ店頭で行える「店頭チャージ」が可能に(第一弾は全国のローソン系列約12,000店舗以上)。より便利に「au WALLET プリペイドカード」を利用できるようなります。
さらに、ローソンでのチャージ開始を記念して、au WALLET プリペイドカードをはじめて利用されたお客様に抽選で100円のチャージをプレゼントする「はじめてのチャージキャンペーン」がスタート! この機会にぜひ「au WALLET プリペイドカード」をご利用ください。

→詳しくはこちら!

3)電気代が心配? 電力会社は”自分で選ぶ時代”です!

大ちゃんどうしたの、そんなに深刻な顔して? なになに、電気代が高くてチビリそう? これからは電気の無駄遣いはやめて、エコな暮らしを心掛けてくださいね。

そして、2016年4月から「電力自由化」が始まって、電力会社を選べる時代に。すこしでも電気代を抑えたいなら、いろいろと比較検討しておトクなところから電気を買うといいかもしれませんね。
【「auでんき」ならauスマホとセットでお得!】

「auでんき」は、KDDIが提供する電力サービスです。auのケータイやスマートフォンとセットの料金プランなど、お得なサービスをご用意。インターネットまたは全国のau取扱店で簡単にお申し込みいただけます。

→詳しくはこちら!

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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【RAILcase/ts[Prod.Ka]】完成! カトキハジメデザインのスマホケース。 au SHINJUKUで展示します!

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『機動戦士ガンダム』シリーズのメカデザイナーとして知られるカトキハジメ氏にiPhoneのケースをデザインしてもらったら、一体どんなものができるんだろう……?

「TIME & SPACE」がKDDIのメディアとして立ち上がってから昨年で15周年。それを記念して立ち上がった「RAILcase/ts[Prod.Ka]」はカトキハジメ氏にiPhone 6s用ケースのデザインを依頼し、DMM.comの協力を得て3Dプリンターで出力したコンセプトモデルを制作・発表することをゴールとしてきた。

そして、ついにコンセプトモデルが完成! 完成したRAILcase/ts[Prod.Ka]について、今回もカトキハジメ氏に話を聞いてきた。

1年をかけて完成したコンセプトモデルとは?

――最初にご相談してから1年以上経ちましたね! ようやくコンセプトモデルが完成しました。まずは完成品について、いかがですか?

カトキ「3Dプリンターで出力したナイロン素材独特のザラッとした質感が、なかなか良い感じですね。手に持ったときに馴染みます」

――すごく薄いのも驚きました。3Dプリンタって想像以上に薄く出力できるんですね。

カトキ氏のデザインを元に3Dデータ化し、そこからDMM.comのエンジニアと細かい部分の調整作業が何度もやりとりされた

「iPhoneに限らず、スマートフォンはやはり薄くてシンプルなデザインが魅力だと思うので、DMM.comさんにはできる限り薄く成型してもらうようにしました。手に持つと妙にサイズ感が大きく感じるケースがよくありますが、RAILcaseについてはそういう違和感はないと思いますよ」

――背面に米軍のライフルに採用されているレールシステムをモチーフにしています。この一見したゴツさと、手に持ったときの繊細さのバランスが絶妙に感じました。

「3Dプリンタでの出力は成型上の自由度が高くて、複雑な形状が比較的出しやすい。金型だと、”成型品を抜き出す方向”など設計の都合がいろいろあるのですが、そういう意味ではチャレンジングなデザインができたと思います」

M16というライフルにレールシステムが装着された状態がこちら

「RAILcase/ts[Prod.Ka]」という名称は上記「レールシステム」をモチーフとしていることから名付けられている。サバゲーをやっている人にはお馴染みだが、米軍が使用するライフルの銃身部分にこのレールシステムが採用されている。兵士はこのレール部分にライトやスコープなどの「モジュール」と呼ばれるパーツを自由に取り付けることができる。レールシステムはいわばモジュールを取り付けるための統一規格のようなものだ。

――ケースの背面にあるレールには実際に市販されているサバゲー用のモジュールを取り付けることもできるんですよね。

「このケースはナイロン製なので、強度には限界がありますが、実際に取り付けることはできます。もちろん、つけるものによってはだいぶ大きくなりますけど(笑)、サバゲーをやっている人なら手持ちのストックがそのまま装着できるから、役に立つパーツも立たないパーツもいろいろ遊べます。あと、パラコード※を通す穴もあけたので、そういう地味な遊びもしたいですね」
※パラコード/パラシュート用に使用する非常に丈夫なひも。汎用性が高く、アウトドアなどでも使用される

上写真はレールに照準器を下はライトを装着。どちらも市販のものだが、ピタリとはまる。装着するモジュールによって表情が変わる

――カトキさんは携帯性にこだわりたいと当初からおっしゃってました。ストラップもだいぶデザイン的に主張していますね。

カトキ「僕自身、スマホにしてからストラップを付けられなくなって、不便を感じていましたからね。サッと取り出して使いたいときにストラップはやっぱり大事ですよ。ストラップもつけられる、ではなく、最初からストラップ推しでデザインを考えています」

コンセプトモデルとはいえ、細かいところではカメラのレンズ部や各ボタン、ライトニングケーブル用コネクタなどはもちろん、ケースを徐着したまま使用できるようになっている。「自分で使いたい」ことがデザインするときの前提だという。

上/ストラップを通すパーツの横にはパラコードを通す穴もあいており、好みで選ぶことができる。下/各所に細かなマーキングが施されていて、ミリタリーモチーフの雰囲気もアリ

――1年間ご一緒させていただいて、カトキさんの0.1mm単位のデザインへのこだわりにはただただ感服するばかりでした。それだけでなくて、できあがったものは誰が見ても「お、かっこええええ!」ってなるんです。いわば”鳥の目と虫の目”がカトキさんのデザインなんだな、と。ものづくりという点においてとても参考になりました。

カトキ「スマホってすごくミニマルなデザインで好きなんだけど、一方で”遊び”の部分がスポイルされて少し寂しい部分もある。だから、各自がアクセサリやスマホケースで個性を出していけるところが楽しいんですよね」

――ひとまずこちらで今回の「RAILcase/ts[Prod.Ka]」企画は終了です。ありがとうございました!

RAILcase/ts[Prod.Ka]を5月18日(水)からau SHINJUKUで展示します!

というわけで、カトキハジメ氏とTIME & SPACEのコラボレーションによるiPhone 6s用ケース、「RAILcase/ts[Prod.Ka]」を5月18日(水)から6月5日(日)まで「au SHINJUKU」で展示します。

コンセプトモデルにつき、展示ケース内での展示となりますが、撮影はOK。カトキハジメファン、ガンダムファンならずとも、一見の価値アリです。期間内にぜひお立ち寄りください。

■au SHINJUKU

http://au-shinjuku.kddi.com/
住所:東京都新宿区新宿3丁目25-1
営業時間:10:00〜20:00(年中無休)
展示期間:2016年5月18日(水)〜6月5日(日)

関連リンク

DMM.make
au SHINJUKU

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【ネット系女子!】すべての人にロボットを! 女子大生ロボットクリエイター近藤那央さん

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ネットを騒がせている女性をご紹介する「ネット系女子!」。連載第3回目は、ロボットクリエイターとして活躍する近藤那央さん(20歳)。慶応SFCに通う現役の女子大生で、個性的な女の子を発掘するコンテスト「ミスiD2015」を受賞したこともあるメカ系ガールだ。

高校時代に、同級生と共にペンギンロボット研究開発チーム「TRYBOTS」(トライボッツ)を結成し、2013年に出場した水中ロボットコンベンションではなんと優勝! 女子大生ロボットクリエイターとして注目を集める近藤さんに、ペンギンロボットを作った理由、チームへの想いを伺った。

女子高生の好奇心から生まれた、”愛され系”ペンギンロボット

3Dプリンタなどの機材約150点を自由に使える、秋葉原にあるものづくり支援施設、「DMM.make AKIBA」。近藤さん率いるTRYBOTSのメンバーは、ここを拠点に制作活動をしているそう。取材に伺うと、近藤さんとロボット制作真っ只中のTRYBOTSのメンバー・仁科さんと室谷さんが出迎えてくれた。

――これが水中ロボコンで優勝したペンギンロボット「もるペン!」ですね。しかし、なぜペンギンを作ろうと?

「高校の時、卒業研究でロボットを作る課題があったんです。どんなロボットを作ろうか、友達と水族館にネタを探しに行ったとき、水の中を泳ぐペンギンに目を奪われました。『どうして水の中であんなに早く泳げるんだろう? 面白い!』って。これまで、あんな風に早く泳げるロボットは見たことがなかったし、魚のロボットはすでに世の中にありました。だったら、自分たちの手で泳ぐペンギンを作ってみようと思って制作を始めたんです。高校最後の夏休みは、ほとんど制作に費やしていました(笑)。そうしてできた『もるペン!』を水中ロボコンのフリー部門に出場させ、優勝することができました」

――ペンギンが早く泳げる秘密に惹かれたんですね。

「はい。でも、見た目のかわいさも大事だと思っています。ロボットが人間の日常に溶け込むには、愛着を沸かせる必要があると思っているので。たとえばアニメの『ピングー』は喋らないのに動きだけで気持ちがわかりますよね。しかもかわいい。それがロボットに取り入れられれば、より人に受け入れられる存在になると思います」

――モチーフのペンギンはどんな種類ですか?

「マゼランペンギンです。実際にすみだ水族館へ行って本物を触らせてもらったり、サイズを測ったりしました。なので、ロボットのサイズはほぼ実寸です。触ってみて気づいたんですけど、ペンギンの羽ってすごく柔らかいんですよ。最初は、クリアファイルと薄い鉄板を組み合わせて翼を作っていましたが、今は翼の形に切り出したゴムを使っています」

――ゴムの切り出しも自分たちで?

「いえいえ、ゴムを削るのはすごく難しいので、チームの活動に協賛していただいてる企業にお願いしています。ほかにも、廃材をロボットに利用させてもらったりなど様々なサポートを受けているんです。夏休みは工場に行って、ロボットに使える廃材めぐりをすることもありますよ」

――「もるペン!」は第6機目までできていますが、本物に近づけるにはどの点が足りないと思いますか?

「翼の動きですね。本物はもっと滑らかだし、早い。もっと羽ばたきの推進や、動く角度にこだわって作っていきたいです。でも、第6機目は潜水や旋回ができるようになり、最初に描いていた最低限の目標をクリアできました。今後は、心があるように見せる機能や、写真を撮れる機能も搭載したいです」

――その機能をつける目的は?

「より『もるペン!』 を人に楽しんでもらいたいんです! 以前、ロボットを子どもたちに見せたら、とても喜んでくれて。それがすごく楽しかったので、より人とコミュニケーションを深められる機能を搭載して、人に愛される存在になってほしいなって」

TRYBOTSは、ひとつのバンド的存在

――TRYBOTSは、メンバーごとに役割分担をしてるんですか?

「はい。私は全体をまとめたり、PRを担当しています。ほかにも電気系統担当、ソフトウエア担当、構造設計担当、デザイン担当とそれぞれ分かれています。デザイナーには、ロボットの外見のデザインに加え、名刺のデザイン、チームのロゴも作ってもらいました。個人でもの作りをする時にアイコンがあると、普通の学生チームとは一線を画せるので。あと、チーム全体の士気も上がりますしね」

――それぞれに役割があるんですね!

「そうですね、ノリはバンドです(笑)。最初も遊びのような感覚ではじめたんです。でも、どんどんやりたいことや興味が湧いてくる。それが楽しくて続けていたら、少しずつ仕事が来て。遊びが仕事にできる可能性を感じています」

――TRYBOTSのメンバーは個人的にも仲はいいんですか?

「一緒に遊びに行くようなことはほとんどないですね……。みんな、作り終わったらパーッと騒ぐ感じじゃなくて、サッと切り替えてまた次のロボットを作るような、淡々とした人達なので。遊びに時間使うくらいなら工場見学行かない? みたいな(笑)。あ、でも普通にご飯を食べに行ったりはしますよ!」

スマホのような存在になるロボットを作りたい!

――普段はどんな生活を送っていますか?

「家が遠いので、大学で夜遅くまで勉強漬けの毎日です。それが終わったらここ(DMM.make AKIBA)に来て作業しています。メンバー全員が違う大学に通っているので、一緒に作業ができる貴重なスペースなんです。ほかのエンジニアの方々と交流して情報交換することもありますよ」

――そろそろ各々の進路も考える時期だと思いますが、これからTRYBOTSはどのように活動していく予定ですか?

「TRYBOTSの活動は、大学を卒業しても続けていきたいです。『もるペン!』のような人に愛されるロボットを研究して、それを実際に制作したものを販売してたくさんの人に普及させたい。 でも、自分自身は純粋な研究職には向いていないと思っています。ずっと机に向かっているより、アイディアを出したり、人と人を繋げたりする方が好きなので。だから、私ひとりではなく、それぞれができる分野で協力しあって、TRYBOTSが会社として独立できるようにしたいんです。来年は就活の時期なので、就職しなくてもいいように、今年中に大きい結果を出さなきゃって、実は焦ってます(笑)」

今女子大生が萌えるのは”カワイイ”部品!?

――近藤さんは普段、どんなアプリを活用していますか?

Slackというエンジニア向けのチャットアプリです。プログラム言語がそのまま送れたり、チャットルームをつくって会話ができるんですよ。メンバーの予定も把握できるので、便利なんです。あとは機械を分解して出てきたかわいい部品をインスタグラムに投稿したり……」

――え、かわいい部品?

「かわいい部品に萌えるんです(笑)。最近だと、壊れて放置していたラジオを分解して、かわいいと思ったパーツだけ取り出しました。これなんか、ピッキングにマブチのモーターが2個もついてて、ちゃんと日本で作られたものなんだなって思うと感慨深いです」

分解したラジオの部品についてアツく語る近藤さん。「ピッキングが最高! マブチのステッピングモーターを使ってるんですよ!」

――最後に、近藤さんの人とロボットの未来予想図を教えてください!

「スマホのように、ロボットを1人1台持っているような未来です。でもそのためには、安全面や市場の面でクリアしなくてはいけない課題が山ほどあります。だから私は、まずはロボットに対して興味を持ってもらって、日常に受け入れてもらえるようにTRYBOTSの活動を積極的に広めていきたいです。そしてそんな未来が来た時に、私たちTRYBOTSが貢献できることを願っています!」

ロボット作りに対する情熱やメンバーへの想いを、瞳を輝かせて語ってくれた近藤さん。いずれ本物と見分けがつかない「もるペン!」が、ペンギンと仲良く泳ぐ姿を見られる日が来るかもしれない。

近藤 那央(こんどう・なお)

1995年生まれ、慶応義塾大学環境情報学部在学中。高校時代にペンギンロボット開発チーム“TRYBOTS”(トライボッツ)を結成し、2014年3月すみだ水族館にてペンギンと一緒に泳がせた。Tokyo Designers Week 2014 スーパーロボット展出展、日本テレビテクノロジー番組SENSORSメンバーとして取材も行う。個性的な女の子を発掘するアイドルオーディション、ミスiD2015にて応募者約4000人の中からミスiD2015を受賞。大学では慶應義塾體育 會航空部に所属。最近ハマっている事はグライダーで飛ぶこと。

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近藤那央
TRYBOTS
DMM.make AKIBA
ミスiD

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